耳コピができるようになるコツと方法! 【歌メロコピー】で音感を鍛える

【ステップ2】にいく前に、「階名唱法(≒ソルフェージュ)」を説明します。

目次

ソルフェージュ! #や♭を歌う

ソルフェージュ

歌いながらメロディを耳コピしていると

「#や♭は、どうやって歌えば良いの?」

という疑問に当たった方がいるかと思います。

「ミフラット」や「ソのシャープ」などの歌い方は、スピード性に欠けます。#や♭が登場しても、無視して(ミ♭→ミのように)歌うのもありだとは思いますが、それよりも直感的で歌いやすい方法があります。それが、階名唱法です。

階名唱法表

・「#」は基本的に「i」を付ける。
・「」は基本的に「e」を付けるが、Reはかぶってしまうので「レ♭=Ra」。
RLの発音の難易度が高い場合、任意の発音に変えるのもアリ。

このDo,Di,Re,・・という歌い方、wikiには「英階名」と記載されていました。が、何かの本に「バークリー式」と書かれていたような(どっちでもいい)。

発音方法は他にもいくつかありますが、私はこれが気に入っています。自分で好きな発音を考えるのもアリです(短く発音できれば何でもいい)。

「ti=ティ」を歌うと、きっと『サウンド・オブ・ミュージック』のシーンを思い出すでしょう。

サウンド・オブ・ミュージック、小学生のときに音楽の授業で観ました。同級生が「ティ」の発音を面白がって、騒いでいた記憶。発音をバカにする人は、いつまでたっても耳がよくならないし、外国語も上達しない。堂々とtiを発音しましょう!

ちなみにちなみに、
サウンド・オブ・ミュージックの劇中歌『My Favorite Things』は、ジャズのスタンダードとして超・超有名。是非聴いてみてください。私の『My Favorite Things』のMy favorite playerはBill Evans。

最近だと、アニメ『坂道のアポロン』の文化祭シーンがシビれました。↓でポリリズムについて少しだけ書きましたので、よろしければ。

ポリリズムの意味と例!『坂道のアポロン』文化祭シーンを楽しむ
坂道のアポロン第7話「文化祭シーン」で演奏された曲の順番と、Perfumeで有名なポリリズム、ジャズのスウィング、感想について書きました。

耳コピ! 歌メロコピーで音感を鍛える(2)

つづきです。

【ステップ2】覚えている曲で再生しながら練習

ステップ2

【ステップ2】は、耳コピのスピードを上げる練習です。

最初はスピードに追いつかず、音を間違えまくります。成長速度はさっきの「ステップ1」に比べて遅めですので、難しすぎる場合は【ステップ1】を鍛え直してから再挑戦。今回も、メロディを全て覚えている曲を使用します。

手順は
①曲を再生して、Keyを探す。
②出だしの音を取る。
曲を流しながら、耳コピ開始。

初回の完コピは、難しい。「歌でできることは、楽器でもできる!」と自分に言い聞かせ、チャレンジしてみてください。

最初の内は、完コピを目指すのではなく、カラオケで合いの手を入れる感覚でコピーすると、コツがつかめます。「1フレーズ分、遅れて弾く」みたいな感じです。

歌詞と歌詞の間にある空白を狙って、直前のフレーズを弾いてください。大人気テレビアニメけいおんの劇中歌『天使にふれたよ!』を例に挙げると、

「ねぇ 思い出のカケラに」

というフレーズなら、「カケラに」(ミレドミー)の部分を合いの手にして、1フレーズ歌い終わった空白部分で「ミレドミー」と弾く(もしくは階名で歌う)感じです。

1番と2番は、メロディが似ていることが多いので、だんだん耳コピの精度は上がっていきます。スピードに追いつかなければ、曲を途中で止めても良いですし、間違えても無視して弾いて構いません。自由です!

ただ、今回の練習は、耳コピのスピードアップが目的なので、できるだけ曲のメロディについていく意識で練習してください。

テレビで流れている音楽を、リアルタイムで耳コピするのも良い練習になります。音楽番組を見ながら、初めて聴いた曲を耳コピ、2番のサビでユニゾンできたときの快感たるや・・。

個人的には「ライブ映像を流しながら、約2時間ひたすら歌メロ(と簡単な楽器ソロ)をコピーする」練習が(楽しいので)おすすめです。メロディを良い感じに変化させて、アドリブっぽく弾くと倍楽しい。

【ステップ3】うろ覚えの曲で練習

ステップ3

【ステップ3】からは、本格的な耳コピ。

メロディがなんとなくわかる曲、つまり「うろ覚えの曲」を使います。

①曲を再生して、Keyを探す。
②出だしの音を取る。
までは同じ。

③で、曲を再生して1フレーズ(何秒でも良い)聴いたら曲を止めて、そのメロディを弾いてください。そしてまた再生、次のフレーズをコピー。の繰り返しです。

耳コピを繰り返すうち、「好きな曲のメロディをコピーしたら、以外と簡単(音数、動き、跳躍がシンプル)だった」などいくつかの発見をした方もいるでしょう。

「メロディだけだとそうでもない(ありふれている)のに、伴奏と合わせて聴くとすごく良い!」というのも、あるあるの一つ。「自分がもしそのメロディを思いついていても、”ボツ”にしていた」可能性もあります。編曲家おそるべし。繰り返しフレーズ、音程の動きやリズムのパターンなど、”キャッチー”の秘密が見えてくるかもしれません。

一通りコピーした後は【ステップ2】と同じように、曲を流しながら弾いてみましょう。

もしくは・・

今の時代だからできる練習方法。

YouTubeなど動画サイトを開いて「ピアノ ○○」で検索してみてください。何でも良いのですが「できるだけメロディが簡単な曲」がおすすめ。

ピアノ初心者向けの教本を調べてみて、例えば「ピアノ トンプソン」あたりで検索。右手が移動しない、音域の狭い曲(ド~ソだけなど)も多いので、【ステップ2】までクリアした方は「すげー、めっちゃ耳コピできる」と成長を実感できるかもしれません。モチベーションも上がります←重要。

慣れてきたら、次はスローテンポの「ウォーキングベースライン」がおすすめ。コードトーンの耳コピ練習に最適で、半音(クロマチック・アプローチ)も含み、コードトーンに着地するのでわかりやすい。

低音が聴き取りづらい場合は、ブルースのギターソロなど「テンポの遅いソロ(単音弾き)」からコピーしてみてください。

【ステップ4】全く知らない曲で練習

ステップ4

【ステップ4】は、耳コピというよりアドリブトレーニングです。

全く知らない曲を使用して欲しいのですが、本当に全く知らない曲じゃなくても良いです。そこは、各々で解釈してください。

手順は【ステップ3】の②まで同じで、曲を途中で止めずに耳コピします。1フレーズごとに後から追いかけるよう弾いたり、ハモリや合いの手(オブリガート)を入れてみたり。とにかくスピードに乗りたい。

当然、全く知らない曲の1周目完コピは不可能ですが、曲に急かされることで「もっと速く、正確に!」と意識せざるを得ない状態に。この練習が、アドリブにいきてくるような気がします。そんな気がしなければ、やらなくて良いです。笑

耳コピあれこれ!

最後に、耳コピのあれこれ。

曲のコピーは必要か?

耳コピだけでなく、楽譜(スコア)でのコピーも含めて、曲をコピーする必要はあるのでしょうか?

曲をコピーする必要は・・あります!

音楽以外で考えると、書道家が先生の字を真似する、小説家が尊敬する作家の文章を写す、絵描きが模写するといったように、あらゆる分野で良い作品(人)を真似るというのは基本とされてきました。真似ることには、それなりのメリットがあるからです。

楽器の場合、実際に演奏してみないと気がつかないことが結構あります。曲を聴くだけだと「なんとなくカッコいい音だから入れたんだろうなぁ」で終わってしまったフレーズも、実際に演奏してみると「この音をクロマチックで繋ぎたかったのか!」とか「ここでコードを借りてくるのか!(Ⅳm、Ⅲなど)」など、作曲者の意図やクセ、テクニックなどを肌で感じることができます。

それらの技法は、巷にあふれた教則本などから効率よく入手することができますし、スコアを眺めるだけでも、知識として手軽に知ることはできます。しかし、実際に演奏することで得られる実践的な経験は、特に楽器を始めたばかりの初心者にとっては、他に変えがたい貴重な経験。

知識や経験が増えることで、新しい気づきがあるのもコピーのおもしろさ。メロディやベース・ピアノパートなどとの関係も見えてくるので、是非チャレンジしてください。

耳コピが全然できない!

「耳コピは難しい!楽譜が無いと無理!」

と感じている人は、間違ったやり方で耳コピしているのだと思います。いきなり速いフレーズ複雑なコードの耳コピから、はじめていませんか?

耳コピは、音当てゲームではありません。「このフレーズは、”シドレー”だな」と、音程を認識しながらコピーしていかないと、音感は成長しません。日本人のカラオケ文化もあってか、ドレミでわからなくとも簡単に歌謡曲を歌うことができます。

逆にそれが「何で歌えんのに(歌えるのに)、耳コピできんのや(できないんだ)!」とイライラに繋がると思うのですが、よく考えると”音程を認識するレベル(音感)”は、既に高いレベルにあるといえます。「この音は、少し外れてますねぇ」と耳では理解できるのです。あとはそれを、音(ドレミ)に置き換えるだけ。

また、速弾きなど”速いフレーズ”の耳コピは、「耳が速さに慣れる」ことで難易度が下がります。音の高さを聴き分ける以前に、そもそも「それぞれの音を追えているのか」というのも意識してみてください。「自分が演奏できるスピード」の音は、音程が何かわからなくとも(音が潰れていない限り)大体聴き取れます。英語のリスニング、目なら球技で球速に慣れるのと似たような感じ。

音楽も、スポーツや勉強と同じ。きちんと練習すれば、ある程度のレベルまでなら誰だって伸びます。より高みを目指すなら、専門とする学校に行く、すごい人に直接教わる、または血便が出るような修行を。

しかし、耳コピに関しては”基礎中の基礎”です。誰でもできますし、誰しもができるべきです。

追記(2020)

(追記)素晴らしい音感トレーニング動画見つけました。私のような独学素人ではなく、音楽学校に通われたプロの方のレッスン動画です。有益なレッスンを無料で享受できる時代、万歳!

いきいき音楽科様↓

以上です。
ありがとうございました。

次回は>「耳コピ」実践編!

コメント

  1. Hide より:

    耳コピする楽器はどんなものでもいいのでしょうか?
    あまり音の出せる環境ではないので、メインではないピアノで取り組もうと思っております。
    でもアコースティックギター を上手くなるには、ピアノではなく、アコースティックギター で取り組むべきでしょうか

    • まさとみー masatomy より:

      むしろピアノ(電子)がいいと思います。ピアノでささっとメロディやコードが聴きとれる音感をつけて、じっくりとアコギ練習に取り組んでみてはいかがでしょう。

  2. 匿名 より:

    因みにこんな感じの曲です.(復元出来ているのか?(^-^;)
    ソラソラソソラ ラシラシララシ
    レドレドレレドシドシド
    ドレドドレドレ ド(高) ラファ
    洋楽・ボサノバ風・女性ボーカル.ニトリで流れていた曲なんですが.

  3. Google検索より より:

    鼻歌でメロディを脳内再生できます(記憶した).これをPC上の鍵盤で再現(音符化)したいのですが,上記記述では役に立ちません.もっと単純&容易に鼻歌を音符化するコツが知りたい人(楽器の素人)が此処に辿り着いている,と思うのです.無理難題でしょうか?
    ※自分のイメージする音⇔音程の変換,が出来ないのです.

    • まさとみー masatomy より:

      文章から推測するに、単なる練習不足でしょう。

      「練習せずに(容易に)、音程が一発で理解できるようになりたい!」という質問であれば「私もなりたい!」とお答えします(笑)。「鼻歌で歌を再現」は誰でもできます。その鼻歌を音程として理解する(鍵盤で再現する)ためにトレーニングするのです。ちなみに、練習方法は「単純かつ容易」ですよ。

      小学生が音楽の授業で使うようなKeyCの譜面を見て、歌えないようであれば練習不足です。

      例えば、コメントで階名を書かれたニトリの曲ですが、私は見た瞬間に歌うことができます。で、階名(文字や音符)を見て歌えるということは、耳で聴いたときにも音程を理解できる(音符に変換できる)ということなんです。

      「G、C」というメロディが聞こえてきた場合、1音目Gをソの音だと仮定して「ソファミレド」と脳内鍵盤で歌いながら下がっていけば、ドの音がCの音と同じ響きなので「ソ、ドだな!」と理解できます。1音目Gを「ド」だと脳内鍵盤で設定した場合は、「ド、シ、ラ、ソ、ファ」と歌って、ファを声に出したときに、聴こえてきたCの音と一致するので「鳴っていたのはド、ファだ!」と理解できます。※相対音感の話です。

      繰り返しているうちに「ソ、ド」くらいなら、間の「ファミレ」を辿らなくてもわかるようになります。「2+3」で、「2,3,4,5」と指を使って数えなくてもすぐ答えが出る、みたいな感じです。

      流行り曲のボーカルを鍵盤で弾いてみるとわかりますが、大体「ドレミードファミレのように音程を滑らかに上り下り」とか、サビで「ソからドに跳躍する」とか「低いドから高いドに跳躍する」とか似たような(耳馴染みがいい)パターンが多い、つまり歌パートの耳コピが一番簡単です。

      ですので、記事では「歌メロを利用してトレーニングしましょう」と提案しています。

      知ってるポップスのボーカルを鼻歌で1小節歌って、次に鍵盤やギターで弾いて、正解したらまた次の1小節を歌って・・みたいに遊んでいるうちに、「あー、これね。前やった曲のサビと似たパターンだわ」となって、徐々に音程が理解できるようになっていきます。

      電子鍵盤なら、トランスポーズ機能を使って、主音ドがCになるよう設定して練習してください。

      私なりの練習方法を↑に書いていますので、まずやってみてください。計100時間くらい”集中して”練習すれば、(ゆっくり目の曲なら)ボーカルパートの耳コピできるようになりますよ。

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