今回は「ある程度ギターでコードが弾ける」方向けに、書かせていただきます。
「コードがイマイチわからない」という方は、以下の記事をご覧ください。
ギターのコードはピアノより楽!
ギターのコードは、ピアノと比べて覚えるのが簡単です。ただそれは、”コードの押さえ方”であって、構成音(音名)ではありません。
特にギター初心者の方は、構成音を数字(度数)で覚えて、ルートを基準に平行移動させている方が多いと思います。曲のコピーをしているうちはそれで十分ですし、むしろギターの長所なのでどんどん活用するべきです。
しかし、曲のアレンジや作曲、アドリブなどに手を出すようになると、コード・トーン(音名)を覚えておいた方が、何かと便利。
基本的な3和音を覚えて、それに足したり引いたりすれば、あらゆるコードが頭で作れるようになります。
「ルートを基準に数える」「音より型(フォーム)を優先してしまう」ことに悩んでいる方にも、おすすめです。
コード構成音(音名)の覚え方!
ギタリストがコード構成音(音名)を覚えるには「鍵盤」がおすすめ。「俺(私)はギター以外に興味はねぇ!」という方こそ、効果があるかもしれません。
鍵盤を使用するメリット!
あえて鍵盤を使用するメリット。
①頭で考えざるを得ない。
慣れているギターだと、度数で考えてしまいます。手が勝手に動いてしまうでしょう。鍵盤が最適です。
②コード進行の理解が深まる
「コードを形で覚えた」人は特に、鍵盤を使うことで、視覚的にコードを理解できます。
例えば、「Ⅳ→Ⅳm→Ⅴ」や「Ⅱm7→Ⅱm7-5→Ⅴ」あたりの動き。最も基本的な「Ⅴ7→Ⅰ」進行であったとしても「なるほどな!」と、見て初めて納得する方もいるでしょう。
「なんか、良い感じのコード進行って、半音で動きがち」「このコード進行で、省略した方が良い音はこれかな」「転回させた方が良いな」など、”音が見える”ことで気がつくこともあります。
③転回形に慣れる
「ポジション移動しないで弾く」ことは、ギターでも基本的なテクニックの一つ。しかし、ポジションとルート、度数だけを意識しがち。
一方ピアノだと、コードの転回形をいくつか弾いていくうちに、自然とコード構成音(音名)も覚えることができます。
例えば、コード「D」があったとして、ギターで意識するのはルートの「D」と度数「長3度、完全5度」あたり。
一方ピアノだと「D、F#、A」と頭で考えながら押さえるので、黒鍵(F#)を覚えやすい。曲の中だと転回形も当たり前のように使用します。コード「Dm」なら「D、F、A」、「Ddim」なら「D、F、A♭」と、目で変化を見れるので、記憶に残りやすい。
④作業スピードが上がる
まず、「五線譜を読む→指板で押さえる」速度が上がります。
そして、アレンジ、作曲の作業スピードも上がります。例えば、「メロディにF#があるから、コードにも入れたい!」というとき、「コードはAが良いから、A6だな」と(指板を見ずに)瞬時に浮かぶメリットは大きい。「(考えるのが)めんどくさいから、Aのままで良いか」という妥協も減るでしょう。
⑤コード作りが楽になる
コード構成音(音名)を覚えると、コードネームの複雑さに惑わされなくなり、自分でコードを作る作業も楽に。
「□add9やsus4、テンションなんて面倒臭そうだからまだいいや」と、”覚えやすさ””押さえやすさ”でコードに順序を付けることも少なくなり、音の追求への障害が減る。
作業スピードは、モチベーションに影響します。
⑥鍵盤が使えると何かと便利
コード理解を抜きにしても、他の楽器に比べ鍵盤を扱えるメリットは大きい。例えば、PC上でDAWソフトを動かす場合。鍵盤を使うと打ち込みがスムーズです。
両手で鍵盤を弾けるので、”コードとメロディ””ベースラインとメロディ”の響きを確認する作業も楽に行えます。
コードを覚える練習!
メジャー・スケールのダイアトニック・コード、Ⅰ、Ⅳ、Ⅴの三和音から覚えていきます。「このKeyを完璧にしてからでないと」と難く考えず、飽きたら他のKeyに移動し、楽に練習してみてください。
ひたすら「音名」を覚えていきます。
五度圏の活用
五度圏も活用してみてください。
意外と便利で、こんな感じの使い方も↓
鍵盤の見方を工夫する
まずは、鍵盤の「全音」と「半音」を把握してください。
【全音】
(※白=白鍵、黒=黒鍵の意味)
①「白・黒・白」のように、間に1つ黒鍵を挟む。
CとD、FとGなど。
②「黒・白・黒」のように、間に1つ白鍵を挟む。
C#(D♭)とD#(E♭)、G#(A♭)とA#(B♭)など。
③「白・白・黒」「黒・白・白」のように、半音で隣り合う白鍵を挟む。
EとF#(G♭)、A#(B♭)とCなど。
【半音】
①「白・黒」「黒・白」のように、半音の白鍵を挟まない。
CとC#(D♭)、F#(G♭)とGなど。
②「白・白」のように、半音で隣り合う白鍵(黒鍵を挟まない)。
EとF、BとC。
「ホールトーン・スケール」でも考えてみましょう。
※考え方は↓で説明。
この、パターン①と②を、半音音程(ミとファ、シとド)で切り替えます。Cメジャー・スケールなら↓
ミ(E)とファ(F)、シ(B)とド(C)で切り替えました。
Bメジャー・スケールだと↓
ミ(D#)とファ(E)、シ(A#)とド(B)で切り替えました。
これで、「全音」と「半音」の感覚をつかんでください。コードも結局は、全音と半音の組み合わせです。
例えば、Cメジャー・トライアドの構成音は「C・E・G」。「CとE」の距離は長3度(全+全)。「EとG」の距離は短3度(半+全)です。転回形も含め、いろんな角度からコードを眺めてみてください。
【C】メジャー・スケール
Cメジャー・スケール。今一度、確認しておきましょう。
今回覚えるのは、三和音のダイアトニック・コードです。Ⅴだけ四和音にしました。
目的は「音名を覚える!」。転回形で(あまりポジションを変えずに)弾く。D→Dm→Dm-5のように、1音ずつ変化させてみるなど、曲も使いつつ楽しみながら練習してください。
【G】メジャー・スケール
次はGメジャー・スケールです。最初に、Gメジャー・スケールの音を全て覚えます。
次に、Ⅰ(G)、Ⅳ(C)、Ⅴ(D)を覚えてください。GとCは出てきたので、新しく覚えるのはD。Dmの3度を半音ずらします。
五度圏だとGの左隣のCと、右隣のD。コード・トーンを歌いながら弾くと覚えやすいです。残りのコードも覚えてください。
※練習(覚えているかの確認)のため、既に登場したコードの画像は省略します。
【D】メジャー・スケール
次はDメジャー・スケールです。
同じくスケール構成音から覚えてみてください。
【A】メジャー・スケール
次はAメジャー・スケールです。
【E】メジャー・スケール
次はEメジャー・スケールです。
【B】メジャー・スケール
次はBメジャー・スケールです。
【G♭】メジャー・スケール
次はG♭メジャー・スケールです。
【D♭】メジャー・スケール
次はD♭メジャー・スケールです。
【A♭】メジャー・スケール
次はA♭メジャー・スケールです。
【E♭】メジャー・スケール
次はE♭メジャー・スケールです。
【B♭】メジャー・スケール
次はB♭メジャー・スケールです。
【F】メジャー・スケール
次はFメジャー・スケールです。
Ⅰ:F
構成音:F, A, C
Ⅱ:Gm
構成音:G, B♭, D
Ⅲ:Am
構成音:A, C, E
メジャー・トライアドだけ並べてみると
C, E, G
D, F#, A
E, G#, B
F, A, C
G, B, D
A, C#, E
B, D#, F#
F, A, C
C, E, G
G, B, D
D, F#, A
A, C#, E
E, G#, B
B, D#, F#
D♭, F, A♭
E♭, G, B♭
G♭, B♭, D♭
A♭, C, E♭
B♭, D, F
B♭, D, F
E♭, G, B♭
A♭, C, E♭
D♭, F, A♭
G♭, B♭, D♭
C, E, G
D♭, F, A♭
D, F#, A
E♭, G, B♭
E, G#, B
F, A, C
G♭, B♭, D♭
G, B, D
A♭, C, E♭
A, C#, E
B♭, D, F
B, D#, F#
半音ずつ上がる練習も新鮮。あえて鍵盤を使うことで、「鍵盤には無い、ギターの良さ」にも気がつくはずです。
ありがとうございました。
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