たまに聞く
結局何なの
音 / 階名
音名と階名は、楽器演奏者や歌手にとって必須の知識です。譜面がどうのこうのではなく、音感アップや演奏者とのコミュニケーションに不可欠。音名と階名の違いを知り、使い分けることで相対音感にも磨きがかかります。
知らないと音楽人生損してる、音名と階名。
音名と階名の違い!
結論から言うと
音名は「絶対的な音の高さ」を表します。
「CDEFGAB」や「ハニホヘトイロ」で表記されることが多いです。
階名は「相対的な音の高さ」を表します。
こちらは「ドレミファソラシ」を用いた表現が一般的です。
ややこしい音名と階名
詳しい説明に入る前に、「音名と階名」を互いに理解していないと、このような混乱を招きます。バンド内でたまにある会話↓
ピアノ)「今の部分ドミソーて弾いてる?」
ギター)「あぁ、(ファラドーだけど・・)そうだよ」
意味を理解された方は
「べ、別に無理して読まなくてもいいんだからねっ!」
※このページを読むと意味がわかります。
音名とは
音名(おんめい)は絶対的な音の高さを表す。
音名・階名表記 – Wikipedia
階名とは
階名(かいめい)は、主音に対する相対的な高さを表す言葉である。
音名・階名表記 – Wikipedia
なんかムズかしそー
・・説明するのが。笑
鍵盤でみる音名
それではまず、ピアノの画像・・が無いのでマジックで描きました。
画面の鍵盤を押して「ドレミファソラシ」を弾いてください。※絵なので音は出ません
次に、鍵盤に音名を記入してみます。それ!
!?
「俺(私)の知ってるドレミファじゃない!?でもなんか・・・知ってる」
そうです。これが音名です。
音名は、絶対的な音の高さを表すので
ド 「絶対に変わりません!!!」 ン!
絶対的と相対的
※わかる方は飛ばしてください。
「絶対的」とは、他のいかなるものからも影響を受けず、変わらない。
「相対的」とは、比べる対象(相対)によって変わる。
たとえば、英検や漢検の資格試験の評価は「絶対的」です。
70点以上を取れば合格できる試験。100人が受験して、100人とも70点以上を取れば、100人全員が合格できます。
合格点70点以上という基準は絶対的なので、点数以上なら合格、以下なら不合格。もちろん、100人全員69点以下なら全員不合格です。
対して入学試験は「相対的」。
学校に入学できる人数には、限界があります。
定員50名の学校に対して、受験生100人が応募した場合、確実に50人は落ちます。たとえ自分が99点を取ったとしても、同じ受験生の内、50人が100点を取った場合、順位が51番目の自分は定員から外れて不合格。
また、たとえ自分が10点しか取れなくても、他の99人が9点以下なら、自分は1位で首席合格です。一緒にテストを受ける相手(相対)によって基準が変化する。これが「相対的」の考え方です。
イタリア語と階名
さっきの例で言うと、「CDEFGAB」や「ハニホヘトイロ」が音名で絶対的。
各国の音名の表し方↓
注目してほしいのが、イタリアの音名表記。
Do=ド、Re=レ、Mi=ミ・・
見覚えがあります・・
「ドレミファソラシ?」
そうです。でもドレミファソラシは、階名です。
一度整理しましょう。基本的には
音名=「CDEFGAB」もしくは「ハニホヘトイロ」
階名=「ドレミファソラシ」
です。
でも、表ではdo,re,miがイタリア音名と書かれている・・。
実は、日本で使われている「ドレミ・・」という階名は、イタリア(など)の音名表記を借りて表しているのです。正確に言うと「グィード・ダレッツォ(Guido D’Arezzo)」が発明した階名を使用しています。詳しくはGoogle先生に。
「音名」とは振動数に与えられた固有の名前
音名とは何か?
wikiには「絶対的な音の高さを表す」とありました。
例えば、レギュラーチューニングされたギターの5弦開放弦の音名は「A」で110Hz(ヘルツ)です。そして、曲のKeyが変化したとしても、5弦開放弦の「A」という音の高さ、つまりAの振動数=「110Hz」は絶対に変化しません。※ピッチ自体は変更可能ですが、例えば音名「A=111Hz」にしたとしても演奏中は絶対的。
ある音の高さに対してつけられた音名は絶対的。
ある振動数に対して与えられた、固有の名前が音名です。
「まあなんか、ごちゃごちゃ言ってるけど、そんなの当たり前のことだし、何となくわかるよー」
それでは、階名はどうでしょう?
「階名」は主音に対する音程
階名とは何か。
wikiによると「主音に対する相対的な高さを表す」とあります。
主音とは
音階の最初の音(第1音)。移動ドにおいて長調ではドの音。短調ではラの音。
主音 – Wikipedia
私たちがよく知る「ドレミファソラシ」は、実はメジャースケールという音階で、最初の音はドです。この「ド」が主音。キーの中心となる音を主音と呼びます。
そして階名では、その主音が相対的。
文字で書くとややこしく感じますが、鍵盤で確認しますので、もうしばらくお付き合いを。
相対的なので、keyに対して主音ドを移動させます。
階名の使用例
たとえばKeyCの場合。
中心音であるC(音名)に、階名の主音ドを重ねると↓
「CDEFGAB」=「ドレミファソラシ」となります。
今度はKeyをGにして、Gに主音ドを重ねると↓
「GABCDEF#」=「ドレミファソラシ」
となります。ドを移動させました。
KeyGを五線譜で見ると↓
Fに#が付いています。上の表と同じ。
鍵盤でみる階名
メジャースケールは、12音の中から7音を選んで、主音ドから「全全半全全全半」の間隔で並べます。音楽の授業で習ったあれです。KeyGだとこんな感じ↓
KeyGの音名↓
KeyGの階名↓
このように、中心音である「G」に階名の主音「ド」を重ねて、残りの「レミファソラシ」を「全全半・・」の順で並べると、シの位置には「F#」がきました。バッチリです。
【答え】ややこしい音名と階名
それでは、最初のピアノとギターの会話をもう一度。
ピアノ)「今の部分ドミソーて弾いてる?」
ギター)「あぁ、(ファラドーだけど・・)そうだよ」
この会話の元となっているKeyは「G」。
ギターの発言から考えると、
「KeyG」で、階名が「ファラド」だと
「GABCDEF#」=「ドレミファソラシ」
C=ファ、E=ラ、G=ドとなります。
これがギターの頭の中、階名の考え方です。音名は「C,E,G」の3音。
一方、ピアノの頭の中は
「GABCDEF#」=「ソラシドレミファ♯」
C=ド、E=ミ、G=ソです。
音名は「C,E,G」の3音で、ギターと変わりません。しかし、階名が違います。
キーはGなのに
G=ドではなくC=ド
KeyCの階名の使い方です。
これが、「固定ド」の考え方。
ギターとピアノは、KeyGの曲の「C,E,G」の3音について話をしていて、ピアノは「C,E,G」を「ド,ミ,ソ」と捉え、ギターは「C,E,G」を「ファ,ラ,ド」と捉えていた・・というのが答えでした。
このように階名には、「移動」と「固定」という2つの使い方があります。そして、演奏者が身に着けるべきは「移動ド」です。
というより「固定ド」は、ほとんどの日本人が知っています。音楽の授業でリコーダーかなんかで「ドはここを押さえて、レはこう」と習った・・というか、それしか習っていない!(少なくとも私は)
階名のポテンシャルは、そんなものではないのです。でも、学校では習いません。階名の移動を知らないが為に、リコーダーで好きな曲を耳コピしようとすると、「ドレミ・・」で整理できず、なかなか音感が育たない。
さて、今回「少し難しいなぁ」と感じた方。無理はせずに、ゆっくりと理解していってください。そしてやがて、
「なんだ、階名って便利じゃないか!」
と感じるときが、きっと来ます。いや、来てほしい!
次回は「固定ドと移動ド」について説明します。
ありがとうございました。
コメント
ご解説、ありがとうございます。
ゆっくり読んで理解したいと思っています。
これからも宜しくお願い致します。