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BUMP OF CHICKEN『ギルド』歌詞の意味と解釈! 懐の深さ

今、作詞にハマっていまして、BUMP OF CHICKENの歌詞からヒントを探すついでに、感じたことなど書きます。ちなみに、私はバンプオブチキンについての”隠れたエピソード”などは、持ち合わせておりません。よろしくお願いいたします。

まずは『ギルド』から。

BUMP OF CHICKEN『ギルド』歌詞解釈!

いつも口ずさんでいる曲。
そのくせ、歌詞は未だにうろ覚え。

人間という仕事

『ギルド』は、出だしの「人間という仕事を与えられて どれくらいだ」が強烈です。

1フレーズ歌うだけで「コーヒー1/2杯分くらいのリラックス効果」がありそうな歌詞。ちなみに、私は紅茶派です。

帰り道、風呂など、1日の終わりに歌いたくなる生活密着型ソング。

金属音

『ギルド』冒頭から後ろで小さく鳴っているツルハシ?の一定リズムが心地よく、高音域で刻む金属音の面白さ。ドラムのシンプルなリズムと、アップストロークが印象的なギターのリズムが混ざって更に良い。

タイトルの『ギルド』や、歌詞の「仕事」で考えると、「退屈(シンプル)な作業を、重ね・繰り返すことで日常、社会ができている。それを土台とし、自由な楽器演奏が加わって美しく豊かな曲に」みたいな妄想もできます。

”ギリギリ聴こえる”金属音、バンプお得意の”重ねギター”、ボーカルも重ねてますよね(ディレイ)。音に包まれ癒されます。

繰り返す仕事

歌詞は「生きることを”仕事”と捉えていた自分がクビになって、怯えながらも”沢山の眩しさ”と向き合って・・」というストーリーでしょうか。

歌詞の「仕事でしかなくなっていた」から、「仕事=相応しい給料を貰うことが目的、奪われたり奪い取ったり」のようなマイナスのイメージ。”繰り返す”ことで、少しずつ忘れた。

実際には「仕事ではない」ので「休みをください」と言う相手はいない。人間を休む=社会からの逸脱?「悲しいんじゃなくて 疲れただけ」。集団生活に疲れ、仕事(美しいだけの自分が許されない関係)を繰り返して感情も鈍く(忘れた)?

汚れちゃったのはどっちだ 世界か自分の方か」。”自分”と”世界”の間で、奪われたり奪い取ったりを繰り返し、美しくなくなった。でも、「瞳は開けるべきなんだよ」。

”まとも”に気が狂う

奪われたり奪い取ったりを繰り返している、「気が狂う程まともな日常」(仕事、学校、社会、自然界)。でも、それを「”まとも”だと感じていない」ので気が狂う。もしくは「”まとも”だと受け入れている自分」の気が狂っている。

と、1番だけでもこれだけの要素があり、これを基にたくさん妄想ができそうです。文字通りに読むと「”まとも”な社会生活を送る中で、汚れちゃった色んなもの」について考えさせてくれそうな曲。

懐の深さ

深読みすると違った見方もできる、懐の深い曲です。例えば「奪われたり奪ったり」を「人と人」ではなく、炭鉱のイメージから「人間と自然界(地球資源)」で考えると、「この世の真理、法則的なものに対する疑問」のようにも思えます。

妄想なら、「腹を空かせた抜け殻」が食べたいものが”愛”だとして、仕事を与えられる前(汚れていないとき?)は”愛(餌)”を無条件で貰えたが、”仕事でしかなくなって”からは、”奪われたり奪ったり”の中で獲得。それは気が狂う程だけど、”愛”は生きるために必要、まともな日常・・のような妄想にも耐えられます。笑

人間をクビ→抜け殻→?

文字通り「人間という仕事をクビに」なったのだとして、「腹を空かせた抜け殻」を魂(人間性)を失った”何か”と捉えて、「動かないで 餌を待って」と「吠えて」につなげると、人間以外の生き物っぽくなり、やや不気味です。

”仕事”でしかなくなっていた相応しい給料を貰えない”人間”をクビになった抜け殻、でも「構わないから その姿で生きるべきなんだよ」。歌詞の文脈通り”人間”をクビになったと捉えると、面白いですね。

よくわからないのに

そして、相も変わらず言葉のセンスがすごい。2番の「逃げ込んだ檻 その隙間から引きずり出してやる」は、わけがわかりません。”檻”は閉じ込めて出られないようにするものなのに、自ら逃げ込む。そして、扉からではなく”隙間”から引きずり出す・・。

よくわからないのに、気持ち良い。「檻=学校、会社、窮屈な社会システム、外からの危害が加えられない牢獄、ギルド?」に逃げ込む。そして「隙間=正規の方法ではない、逸脱、脱出の痛み・危険?」から引きずり出す。

プラスとマイナスを絶妙に含んだ言葉選び。「愛されることに怯えて」いた自分?を強引に引きずり出すということでしょうか。愛する主体が”神”なら、「エデンの園で罪を犯し、神に怯え、労働を余儀なくされ・・」みたいな聖書物語妄想も。

「檻=ギルド(同業者組合)」と考えると、抜け出すことのリスクは半端じゃない。それでも引きずり出す、強い言葉です。

罪人

2番はじめの「人間という仕事をクビになって」は、1番と2番の歌詞から、「沢山の眩しさに向き合える良いきっかけ」のようなプラスイメージで捉えられます。ですが、”ギルド”という単語が出てくる世界観から「人間という”身分”をクビになって」、もしくは「汚れた、檻→罪を犯した→人間をクビになって罪人に」と捉えても、”呼吸が続く、その姿、汚れた”と合わせて、違った世界観がみえます。

「日常生活の疲れ」「生きる意味・活力」「人の業」「労働歌」「賛歌」・・いろんな角度で楽しめる、素晴らしい曲。

人形劇もあたたかい。

以上です。
ありがとうございました。

コメント

  1. ナナフシ王 より:

    面白い解釈でした。
    私もこの歌が好きで、仕事に疲れた時に聴いています。

    >逃げ込んだ檻 その隙間から引きずり出してやる

    色々な解釈ができるフレーズですよね。
    私は下記の様に解釈してます。

    人間というギルドが嫌になって、仕事仲間と関わらない様に檻の中に入った誰か。
    でもそいつは本当に周りの仕事仲間と関係を断ち切りたいと思っている訳では無いので、人一人がギリギリ通れるくらいの隙間の空いた檻に閉じこもった。
    そんな甘っちょろい奴は「俺」が強引にでも引きづり出してやる。

    ユーモアと優しさの詰まったフレーズだと思います。

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