乃木坂46『帰り道は遠回りしたくなる』歌詞の意味と解釈! 非合理的な選択

乃木坂46、22枚目シングル『帰り道は遠回りしたくなる』。

目次

乃木坂46『帰り道は遠回りしたくなる』!

曲の第一印象は「雪道を全力疾走」。

センターは、卒業を発表した西野七瀬。
周りに数人なーちゃんファンがいまして、何かすごく熱くなっていたので、影響されこの曲を。

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『帰り道は遠回りしたくなる』ちょこっと楽曲分析!

冬曲だけど春曲

発表時期的には秋曲ですが、曲(※歌詞は除く)とジャケットからして冬曲
倍音の少ない(鋭く透明感のある)ピアノの高音と、冬っぽいストリングスが印象的。

ただし、リズムは春曲っぽい。
歌詞も「別れ」「新しい世界」と、少し春っぽい。
音とリズムを合わせて聴いた印象は「雪道を全力疾走」。

疾走感を持続させるための緩急

キメっぽいフレーズは「好きだったこの場所」と「ここではないどこかへ」。
びっちり埋まった伴奏を空け、歌を強調しています。

好きだったこの場所」では、ピアノも合わせて「表表表裏 裏裏〇〇」のリズムを強調。ドラムで頻繁に使う(パート終わり等に裏でハイハットを開け叩く)、お馴染みのリズムです。

対して「ここではないどこかへ」では、「ここ では ない どこ」と尻抜き三連(三連符の3つ目を抜くテクニック)で、新しいリズム(洋楽ヒップホップで一瞬流行ったやつ)。スキップの足(左右)を入れ替えるときのリズム・・連符なのでスキッ符ですね。

この2つのフレーズが、疾走感をコントロールするポイントなのですが、イメージ的には

Aメロ直前:「好きだったこの場所」でけんけんぱ【遅】
Aメロ:ランニング【速】
つなぎ(Bメロ):クールダウン【減速】
サビ直前:「ここではないどこかへ」でスキップるんるん【遅】
サビ:全力疾走【速】

ちょっと微妙な例えですが(笑)、「好きだったこの場所」「ここではないどこかへ」の両フレーズとも、一度ブレーキをかける(ペダルを踏むというより「シフトダウン+エンジンブレーキ」の)役目を果たし、スピード感に緩急を付けています。

「スピード上げてるぜ!」感MAXなのは、アクセルを踏んでギアを上げているとき。5速に上げてからは「(周りの速度に)合わせて流してる」感が強くなり、加速により体感するGも少なくなります。高速道路で流すより、青信号先頭で加速するスピード感。車やバイクと同様に、音楽の疾走感をコントロールするポイントは緩急です。

”スカし”でクールな疾走感

個人的に、疾走感のある曲はどこかに「スカし(冷めた感じ)」を入れるとカッコよくなるなと感じています。この曲だと「サビの音程上昇」がスカしポイント。

文字だと伝わりにくいのですが、サビ頭で歌メロが「(E♭)→(A♭)」と上昇します。音程は上がっているのですが、主音(ド)に向かい、しばらくドあたりをウロウロしているので大袈裟(ドラマティック)にならず、歌メロによる感情の動きを抑え(サビという一番盛り上がるポイントであえて冷まし)ています。

代わりに、リズムやストリングス等の伴奏で盛り上げているので、歌パートのスカしが引き立ちクールに。「冬曲の疾走感」としても丁度良い温度に。

これが、例えば「ド→ソ」だと熱くなりすぎて、ちょいダサくなります(個人的意見)。

横目に滑るディレイ

サビで3回重ねた「弱虫」。
歌のディレイ(手動)、いわゆる”やまびこ”です。

疾走感そのままの伴奏(背景)を横目に、「弱虫」の「」だけスーっと滑る快感。直前で細かく刻んでいた歌メロの勢いも相まって、これまた気持ち良い。

裏と表の切り替え

Aメロ、Bメロ、サビと、歌詞頭を裏拍からはじめています。歌詞も合わせて考えると「前に進め。次の足を出せ」と急かされる印象。

対して、「好きだったこの場所」と「ここではないどこかへ」は表拍から。目立つところだと、Aメロの途中「いつの間にか」、Bメロの途中「僕の夢は」、サビの「過去の道」や「しい世界へ」も表。逆に、イントロ途中「この場所」は裏。

これも、疾走感を持続させる工夫というか、(好き嫌いは別として)飽きさせないコツの一つ。

歌のリズムが単に細かいだけでなく、横に伸ばしたり縮めたりして強弱含め裏と表をいったりきたりするので、歌を耳で追うとリズム的に(ノリが)楽しく、最後まで飽きない歌だなと感じます。・・伴奏は飽きましたが←いらんこと言う

寄せ鍋

KeyはA♭。歌メロはド(A♭)を中心にあまり動かさず。
リズム変化を歌で作り、音の流れは伴奏で。

音はアコースティック(生)とエレクトリック(電気)を混ぜて。
イントロが顕著で、ピアノの残響を響かせつつ、エレキギターとシンセ音を混ぜるパターンのやつ。今ぱっと思いつきませんが、DAOKO×米津玄師『打上花火』あたり(ちょっと違うけど)。あとは、ryo feat.初音ミク『ODDS&ENDS』あたりの・・鍵盤主体のDTM曲で見かけるパターン。

Aメロ「アコギ」Bメロ「シンセ」サビ「ストリングス」と伴奏を頻繁に変え隙間無くびっちり埋めて、隠し味は盛りだくさん。交ぜすぎ入れすぎで、名状し難い味のする寄せ鍋ような・・冬曲だし良いのか。笑

メンバーの卒業シングルということで、色んな感情の混ざった、色んな聴き方ができる曲ですね。

『帰り道は遠回りしたくなる』歌詞解釈!

※歌詞は無料歌詞検索サイトなどをご覧ください。

解釈パターンが多数ある

まずは、タイトル『帰り道は遠回りしたくなる』。

歌詞のストーリーに合わせて考えると、
「僕の家への」帰り道は、遠回りしたくなる。
「僕と君で住んでいる家への」帰り道は、遠回りしたくなる。
③その他(新しい家、etc)

”乃木坂46卒業シングル”として考えても、「乃木坂46(仲間の元)への」帰り道、「乃木坂46(アイドル)から家(一人の女性)への」帰り道など、いくつかのパターンが存在。

次に「好きだったこの場所」。
1つ目の場所は、「だった」と過去形で卒業シングルなので「乃木坂46」でしょう。
歌詞のストーリー的には
①僕の家
②僕と君の家
③君の家
④その他
あたり。

に重ねた意味も多く、「帰り道」「軌跡」「未来への道(進路)」、広げると「筋道(順序)」「自分(成長)」「二人(関係)」etc..。

歌詞のブロック(Aメロ、Bメロ、1番、2番・・)ごとに意味を変えている感じもしますし、”ストーリー的な正解”を探すのは無意味でしょう。ですので、今回はブロックごとにそれぞれ好きな解釈を当てはめて考えてみます。

秋元氏の言い回し「ように」

やめられない漫画を途中で閉じて 顔を上げて気づくように
 居心地いい日向もいつの間にか 影になって黄昏る

Aメロ頭の言い回しから見て取れる、気合の入れよう。←変な言い回し(笑)

マンガを閉じ、顔を上げて「気づく」。
ように」と続けて・・「ように」ってなんだ(困惑)。

「マンガおもろいけど、そろそろやめんと。でも、きり悪いしあとちょっとやし・・いや、決めた、もう止めよ。よっしゃ(窓チラッ)なっ、もうこんな時間!?」というように居心地いい日向もいつの間にか・・」。

良い方にも悪い方にも解釈できそうな歌詞ですが、「漫画」を「幸せ(夢中)な時間」と捉えて、「楽しい時間は、あっという間」がシンプルで良いかなと思います。

Aメロ後半の歌詞「居心地いい日向もいつの間にか 影になって黄昏る」は、時間経過(昼→夕、幸せな時間→終わる切なさ)を説明しつつ、歌詞の「漫画」「この場所」「帰り道」、そして”乃木坂46卒業”とも自然に繋がっていて上手い。特に「黄昏」を「切なさ・衰え」だけでなく、本来の意味「夕暮れ」としても使っているのが新鮮。

「何にでも繋がりそう」な歌詞を書くのが上手い秋元氏。

3つ目の空白

サビ直前の歌詞「ここではないどこかへ」。
三連符3つ目の空白、不自然に空いた途切れるリズムが、なんかストーリーと合っている・・ような気もする。

はい。
何か”それっぽい”、適当なこと言いました。笑

何故「遠回り」したいのか

そもそも、どんなときに「遠回り」したいのか。

・誰かともう少し話したいとき。
・誰かともう少し一緒にいたいとき。
・寄り道したいとき。
・探検したいとき。
・考え事をしたいとき。
・余韻を味わいたいとき。
・帰りたくないとき。
・道が混んでいるとき。※車道
・座りたいとき。※各駅停車
・体力が残っているとき。※ランニング

歌詞的には、
・「知らない道」を歩きたい。
・「過去の道」を通りたくない。
・「思うままに生きて」みたい。
・「変わ」りたい。
・「新しい世界」へ行きたい(広い世界を知りたい)。
・「強くなりたい」とき。

・・・無意味な分析。笑

合理的でない「遠回り」

個人的には「いつもの帰り道→最短距離→合理的ルート」として、「遠回り感情的ルート」と解釈すると、歌詞の世界観(妄想範囲)が少し広がるので好きです。

”遠回り”という”無駄”なことをあえて「したくなる」という主人公。「ああ、何かそれなりの理由があるんだろうなぁ」と受け手に感情移入させて、卒業やら何やらとつなぎ合わせてそれぞれに解釈させる、秋元氏の”にくい”テクニック。笑

行きは「近道」、帰りは「遠回り」
「近道」で君の場所へ、自分のために「遠回り」
と、距離で広げたり

乃木坂46卒業シングルなので
「遠回り」して(芸能界をもう少し見て)、知らない道を(時間をかけて)帰る
と、考えても面白い。

「僕の家」に帰るパターン

えー、この曲難しいです(笑)。
ただ、妄想(好き勝手な解釈)は山ほどできるので、妄想します。笑

ではまず、「僕の家」に帰るパターン。

「”君の家”から”僕の家”への、帰り道」というストーリーが好きですね。

居心地良い君の部屋、好きだったこの場所。
時間を忘れるくらい、夢中で話した君。
そんな君と、離れると決めた。
もっともっと広い世界、知るため。
弱虫な自分と別れるため。
君と、この街ともお別れ。
今日は、遠回りして帰ろう。

なんか勝手に話を付け足しましたが(笑)、歌詞の世界観が限定されていないので、妄想しやすいです。

「僕と君の家」に帰るパターン

「僕と君の家」に帰るパターン。
個人的には”同棲”ストーリーが、「遠回りしたくなる」にピタッとはまります。

君と二人過ごした部屋。
居心地の良い、好きだった場所。
でも、知らなきゃいけない、広く新しい世界。
僕は行きたい、夢の方へ。
君と離れるのは悲しいけど、大事な別れだ。
遠回りして帰ろう
街灯りが寂しい。

付け足しがひどい。笑

「帰らない」パターン

「帰らない」という、変化球。

帰り道は、遠回りをしたくなるよ。
君と違う道を選んだ、互いのため。
風のように、思うままに
どこを行けば、どこに着くか
このまま運命の標識、行くんだ
戻れなくても。

やばいな。

「乃木坂46」パターン

乃木坂46卒業パターン。

好きだったこの場所。
過ぎる時間忘れるくらい、夢中で。
昨日と同じように、明日もここにいたいけど
居心地良い日向もいつの間にか、影になって黄昏
弱虫。行きたい、新しい世界へ。
離れるのは悲しいけど、大事な別れだ。

帰り道は遠回りをしたくなるよ。
知らない道、あと何回歩けるだろう。

違う道を選んだ意味
いつかきっと、互いに分かるだろう。
過去の道なら迷うことがないけど
未来はもっと眩しいかもしれない。
このまま、風のように、思うままに
新しい世界へ。

帰り道は遠回りをしたくなるよ。
このまま行くんだ、ONE WAYの標識(卒業)。

好きだったこの場所…

 

それらしく適当に繋いでみましたが、おそらくどの順番で繋げてもストーリーは成り立ちますね。

この曲難しい。
ありがとうございました。

コメント

  1. 匿名 より:

    「遠回りしたくなる」とは、前向きな話なのか、”後ろ向き”の話なのか。
    乃木中で高山ちゃんが言った「もう少し話したくて遠回りしてもらった。」という側面。
    歌詞にはその側面は無いけどメロディーはその”後ろ向き”の感じを出している。
    「未来はもっと眩しいかもしれない」と歌いながらメロディーは不安げ。

    なんて

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