欅坂46『避雷針』歌詞の意味と解釈! 草に電気は効かない

欅坂46の5枚目シングル、『風に吹かれても』のカップリング曲『避雷針』。歌の出だしでやられてしまったこの曲。今回も歌詞の解釈をしていきます。

目次

欅坂46『避雷針』!


(作詞:秋元康 / 作曲:ナスカ / 唄:欅坂46)

個人的には、出だしの歌詞

遮断

が一番好き。「このナウい感じでいくよ」と見せ付けるような「遮断」でブルゾワ(ぶるってぞわぞわする)。

1拍目直前から、「ガシャン」と目の前で閉まるような「遮断」。欅坂46お得意の豊富な歌メロリズムと、(音量的な)強調で作り出すグルーヴ。そこに、ラップとスラップベースを足してブラックに。

欅坂46『避雷針』歌詞解釈!

※歌詞は無料歌詞検索サイトなどをご覧ください。

僕と君

登場人物は、

普通に読むと「君が心の”遮断機”を開けるまで、僕は踏み込めない」ですが、後の歌詞「本当の自分」の解釈次第で、「僕=本当の僕」「君=心を閉ざした(偽の)僕」と二重人格的な楽しみ方もできます。

何か言いかけて飲み込む、意味深な”君”の態度。

本当の自分

僕視点でも解釈できますが、「自分隠して」なので”心を閉ざして”いる君を、古着好きとします。

君=心を閉ざし、言葉飲み込み、自分隠して、演じてみたい。
演じてみたいだけ」なので、「(自分を隠して)演じる=悪」「言いたいことを言わず言葉飲み込む=悪」。

どういうこと?

歌詞が妙に具体的。

”遮断”の快感いずこへ

Aメロはじめのブロックがかっこ良いだけに、「古着、本当、お古、フリマ」が残念。音が(個人的に)ちょいダサ。

「しゃ(sya)だ(da)ん(n)き(ki)」の「ん(n)」で粘る感じが消え、中途半端な”っ”が加わった「ふ(fu)る(ru)っ(ltu)ぎ(gi)」に、息漏れの多い「は行」。歌ってみるとさほど面白くない(詰め込んだ感じの)「知らない誰かになって」。「どうせまた」のちゃちゃっと埋めてみました感。・・秋元氏、苦手ジャンルなのか。

どうでもいい

どうでもいいけど・・・
 どうでもよくないし・・・
 どうにでもなればいい

”どうでもいい”歌詞ですね。笑
いいけど」「よくない」葛藤からの、「どうにでもなればいい」。

視点が「君、僕、君」と変わっているのか、単に誰か(僕たち)の葛藤を書いたのか。

無駄な日常

「どうでもいいけど、よくない」葛藤をただ繰り返す日常を、大人は「勿体無い生産性がない」と腹立たしく思う。でもそれを、「僕たちの特権だって主張して」。

君が”放棄”するものとは?
無駄な日常を繰り返す特権?
アイドルなのかい?
それ、アイドルのことなのかい?

「無駄な日常を繰り返す特権を放棄して、何か(普通の学生生活、恋愛?)を諦め、でも強がって微笑む。そして、そんなに不幸に見えない」
やっぱり、アイドルなのかい?

”君”の正体

君が気になってしまう」僕。
二重人格の線は、ほぼ無しですね。

実はこの曲のMVを(素直に)見ると、”君”がわかります。秋元氏と映像監督が歌詞の意味を共有しているのかわかりませんが、画的には「平手友梨奈」です。

映像はじめ、雷が落ちた後らしき枝葉の無いと、横たわる彼女。
Aメロ最初のトンネルシーンで、私服(パーカー)を着た彼女が登場。”古着”の歌詞まで回しており、他のメンバーは制服。※「制服+パーカー」の着こなしも数名いますが。

木は聖書的には「人」を表し、神道的には(神木など)神が宿るもの。アニメ的には、神木から彫った木像をより代として現れた神様がアイドルになる『かんなぎ』・・関係ない。笑

”僕”の捉え方

”僕”を絞ります。

MVだと、平手さんとその他メンバーが(曲の1番で)別々に行動しています。サビの(避雷針を表現しているっぽい)ダンスで彼女は映っていません。雷が落ちた(炎上した)後の煙?の山中を歩いた後、山頂で一人いる彼女の元へ向かう?制服メンバー。

君のそばで立ち悪意からの避雷針となり、不器用さを守る盾になるのは、画的に「=(平手さん以外の)メンバー」です。歌詞的には「平手友梨奈のファン」とも解釈できます。悪意を向けるのは、欅坂46の(平手さんを良く思っていない)ファン?

カップリング曲なので、ある種、私的(内輪)な歌詞の捉え方がしっくりきます。

炎上」は、雷が落ちる炎上とネットの炎上のダブルミーニング。

そばに立っててやる」なので、「僕=メンバー」が強いかもしれません。高いところ、突起物に落ちる雷の性質上、センターに「雷=悪意」が落ちるのは仕方が無い。「」に「」といかにも雷が落ちそう。苗字は「」なのに・・かわいそう。

避雷針になるなら「僕が君よりも(悪意の的になりやすいよう)高く尖って」もしくは、「君が倒れても、僕は立ってて(代わりに悪意に打たれて)炎上してやるよ」。

悪意(雷)がどこかに落ちない限り消えない(収まらない)のだとしたら、避雷針は必要。「悪意(雷)=自然現象」と捉えて、誰かが犠牲にならなければいけないという設定でしょうか。良いですね。

不協和

2番、踏切の警報機。
ちなみに、踏切の警報機は短2度音程で有名。つまり、不協和音(程)。『不協和音』に被せて・・ないか。作詞作曲が同じ人なら、ここで伴奏に(目立つ)不協和音を入れたくなるはず。

「電車なんか来ない→警報も遮断機も無視して良い→無理やり君の心の遮断機を開けて」ということなのか。

”電車”を(無理に)例えるなら「心を開くきっかけ」あたり?
電車自体に、特に意味はないのかもしれません。

一人が楽

一人が楽なのは話さなくていいから

1番と同じ構造なら、君視点。
心を閉ざしている”君”の理由。
もしくは、心を閉ざしている人の代弁。

MV的にはトンネルを歩く平手さんはパーカー(古着?)で、山頂の彼女は制服。(高架下)で古着(山頂)で制服

MVでは、1番Aメロトンネルシーンでメンバーらしき複数の足が入っていました。山と同じく、彼女の元へ向かっているのか。高架下で喧嘩?物語的にはそれもアリ。

フェードアウト」は解釈次第で怖いですね。

それでもいいい

それでもいいけど・・・

”僕”の言葉なのか。
フェードアウトしたくなる」に対して「それでも生きてるし」。

過保護な夢

唐突に登場する”扉”と”鍵”。「儚なすぎる若さ、使い切れず持て余す」という謎(僕?君?大人?)視点。

急に大人視点に移ることは無いと考え、「君=平手」さんとみて、「過保護の主体→ファン」で、「夢→こういうアイドルになって欲しいという願望」・・なんかヤバイな、違うか。

ここまでの歌詞から「引きこもってじっとしている→本当の自分」として、遮断機、古着、扉に鍵とガードはガチガチなので、そのままだと「儚すぎるこの若さ萎れるまで 使い切れず持て余す時間」。そして、「過保護な夢を殺すだけだ」。夢を過剰に保護しているのは”君”自信で、「大事に育てすぎた夢」「そのままだと叶わないのに、叶うと思い込んでいる夢」を殺すだけ・・うーん。妄想の域ですね。

”殺す”なので「夢=生き物」
「過保護な夢=本当の君」?
過保護な夢って何だ?

不幸?

僕は「本当の自分隠して演じて」いる君に惹かれたのか?「遮断機」が開くのを期待する?君の代わりに「悪意からの避雷針」となる僕も、不幸に見えると言うのか。

僕も」なので「暗い目をしている」”君”も不幸に見える?「(君は)そんなに不幸に見えない」のが僕視点なので、君ではない誰かへの問いかけ。悪意の主?

信じる→裏切られる

視点はどちらでもいけますね。

無関心は味方だ」が君、「(君は感動・・)」が僕視点。「いつだって味方だ」が”僕”の”君”に対する気持ちで、「(信じる・・)」は心を閉ざしている君視点とすると「君→(僕)」「僕→(君)」でスッキリ。ファン視点もアリですね。

無関心」から「悪意」は生まれない、「一人が楽」。どれにも繋がりそうなワード。

大サビの歌詞「信じることは裏切られること」は、アイドルファンの方にとって笑えない一行かもしれません。

気配を消す

何故、”気配を消す”のか。人知れず(理不尽に?)雷に打たれる避雷針に寄せた?気配を消した方が”君”のためになる?「こんな感じで支えてください」という秋元氏からのメッセージ?

平凡

平凡な日々」なので、約束した側(僕)は「(雷に打たれない代わりに)おもしろみのない日々」と感じている。「僕は何に期待するの?」あたりと繋げて、結局、僕も君も答えは見つかっていない・・・いや、単に肯定的な「平凡」ですね。

ラストは、「愛が落ちてくる避雷針」ではなく「悪意からの避雷針=僕=愛の避雷針」で「君への愛、自己犠牲の愛(による避雷針)」がしっくり。

ダンスは、最後センターの平手さんにドンと雷が落ちて終わり。欲を言えば、楽器もスケールを降りてきてダンスと一緒に(主音に)着地させて欲しかった。シンクロしてカッコ気持ち良いはず。

欅坂46『避雷針』歌詞感想など!

欅坂46の歌詞には「道」や「交差点」「通学電車」「各駅停車」そして「遮断機」と、交通に関係する言葉が多い印象です。

イメージしやすい景色

多くの人が毎日利用し、頭に(場所は違えど同じような)画がすっと浮かび、イメージ的には「(嫌な)学校・会社・etcへ向かう道・電車」とつながりやすく、社会・常識への反抗系曲が多い欅坂46との相性が良い。秋元康の歌詞は「景色と心情」を繋げるのが上手いなと感じます。

闇属性

闇属性の作品は、90年、2000年代にたくさん登場しました。有名な映画だと『リリイ・シュシュのすべて』。歌だと動画共有サイトとボカロの誕生で、(メジャーで出しにくい)歌詞が登場。少し遡ればビジュアル系も闇属性。『避雷針』で考えると、日本語ラップで(過激に)表現し出したのも、その頃かもしれません。

80年代の校内暴力が影を潜め、(携帯電話の登場で)援助交際に性病、学校裏サイト、薬、(ある種の)いじめブーム、心の病、自傷行為などが時代の潮流。「見える闇」から「見えづらい闇」へシフトした時代。代わりに、多様な欲求を「表現」「発表」できるようになったのもこの頃かも。いつの時代も、闇属性作品には一定の需要がありますね。

ちょいダサの魅力

曲はかっこいいですよね。音楽好きをくすぐる曲が多い。歌メロのリズムもかっこいいんですけど、歌詞の音によるグルーヴはちょいダサ。「完璧じゃない」のもアイドルっぽさ、良さの一つかもしれません。

『避雷針』だと、出だし「遮断機」は完璧なのに、次の「古着」は・・微妙。歌の音程に声量、リズムの揺らぎから伝わる「普通の女の子が歌ってる」感。曲のかっこよさと、ちょいダサ歌詞のリアル感とバランス。この「ちょいダサ」がクセになります。

「アイドル」が闇を歌う意外性と「現役学生」が歌うリアルな説得力。(表現重視の)ダンスブームも重なり・・

そんなことより、伊藤万理華の卒業が寂しい。

ありがとうございました。

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