名曲みつけた。
欅坂46『二人セゾン』歌詞解釈!
こわいよ、何この曲。
奇跡起こったんじゃね?
てレベル。
曲が素晴らしい。
歌詞も素晴らしい。
映像は美しい。
大袈裟に褒めるのは(逆に冷めるので)好きじゃないんですけど、不意打ちではなく「正攻法でやられた」と感じました。
曲の斬新さ・演奏・歌詞表現・歌唱力、どれも技術的に突出させているわけではないのに、とんでもないレベルの曲になっているというか、曲・歌詞・映像(ダンス含む)・歌手のイメージを全て同時に作った(考えた)と言われても納得するくらい、全てのパーツがこの1曲のためだけにあるというか・・とにかく震えました。
他の欅坂46曲も好きなんですけど・・
曲と歌詞の完成度に関しては、次元が違う。
※ダンス・映像だけなら、個人的にもっと好きな欅曲あります。←余計
セゾンとは何か?
まずは、タイトル解釈。
セゾン(Saison)は、”季節”を意味するフランス語。
単に目を引くという理由だけでタイトルを決めないと思うので、フランスの文学なのか、思想なのか、何らかのフランス要素を取り入れていると思うのですが・・わからないのでスルーします。笑
バレエのような振付は、フランスを意識していますね。
セゾンとは何か。
歌詞を見ると「君はセゾン」「僕もセゾン」と出てきます。
「春夏で恋をして」「秋冬で去って行く」ので「恋をして去っていく」のもセゾン。
解釈を広げると「生きるとは変わること」から「変わること≒季節」で「生きること」もセゾン。その他、読み方によって「永遠」や「愛」「生まれ変わり」「日常を輝かせるもの」あたりもセゾンと読める。
そして、私が一番しっくりきたセゾンがあるのですが、注目したいのは「折々の色が四季を作る」。
四季の「春夏秋冬」
春の色は”青”。
青春、アオハルかよ。
白秋、キタハラかよ。
で↓
「青春 朱夏 白秋 玄冬」として「生きるとは変わること」あたりから
「青春(青年)、朱夏(壮年)、白秋(中年)、玄冬(老年)」と解釈。
セゾンはひとまずこれで良し。
歌詞解釈いきます!
※歌詞は無料歌詞検索サイトなどをご覧ください。
二人セゾンは人生
CLANNAD
二人セゾン
人生・・・かな?
「二人セゾン」の解釈は置いておきましょう。笑
レ・ミゼラブル
「春夏に恋をして」「秋冬で去って行く」
フランス文学、ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』。
ミュージカルでも有名な作品ですが、劇中曲『夢やぶれて(I Dreamed a Dream)』の中に「あの人はひと夏私のそばで眠った(中略)でも秋が来ると去っていった(He slept a summer by my side,(中略)But he was gone when autumn came)※適当な訳ですみません」という歌詞があります。
それに引っ張られつつ考えると、春夏だから恋をしたのではなく「恋をしたから春夏」で「去って行ったから秋冬」なのかなと思ったり・・いや関係ないか。
青春 朱夏 白秋 玄冬
セゾンを「生きること」としても解釈したい歌詞。
秋冬、年をとり「去って行く」、「後悔はしてないか?」、2番サビ「儚く切ない月日よ 忘れないで」が沁みます。
文字通り二人が過ごした季節(1年)と解釈するか、恋の移ろいと読むか、また違った読み方をするか。二人が恋人同士になったのかわからないので・・それも切なくて良い。
文字通り「君=セゾン(季節)」で「一緒に過ごした季節(君)よ 後悔はしてないか?」と読んだり、比喩的な懐の広い歌詞としても読めますし、やはり「セゾン」という言葉が強い。
変わる僕、道端に咲く
「忘れてた」と気付き、変わり始める。
「生きるとは変わること」、生きている”僕”。
”生えてる”ではなく「咲いてる雑草」、春っぽい。
「咲いていたから気付いた」と解釈すると、「僕も咲いていた」と展開して「咲いていた僕(雑草)に、君が気付いて・・」と繋げることもできそうです。
「気付かれず踏まれる→悲鳴を上げない→気付かれず」のループが終わる。
道端に咲いてる雑草(僕)も恋をして、春夏。
踏まれても、去って行っても、また来年咲く。
四感
君にイヤホンを外されて「What did you say now?」。
はじまるセゾンの予感。
感覚で表現しているのが面白いです。
視覚:「目を伏せて」
聴覚:「聴こえない振りしてた」
五感でいう”味覚”を除き、残りの感覚も歌詞で登場します。
見過ごすのは仕方が無い
「太陽が戻って来るまでに」をそのまま解釈すると”夜”。夜が月で昼が太陽でと考え出したら、戻って来られない(確信)。
季節の曲なので日照時間的なやつから”秋冬”とも考えられます。太陽が近く熱い恋の春夏、太陽が遠く去り行く寒い秋冬。
「What did you say now?」の後なので、”君”のセリフ?
「大切な人ときっと出会える 愛を拒否しないで」は、ドラマで”君”が亡くなる直前に”僕”に向かって(笑顔で)語っているシーンをイメージさせ・・違うか。解釈次第でどんどん盛り上がる箇所。
”僕”が過去を振り返っているようにもとれます。
目を伏せ、聴こえない振りをする僕、見過ごしそう。
君はセゾン
「日常を輝かせる」君、春夏、その光で育つ僕・・違うな。
僕の前に君が現れ「君のいなかった昨日と、違った景色(春夏=セゾン)」とそのまま読む以外に、「君はセゾン」をはめて「昨日と違った君」と読んでも「秋冬に去って行く」で、面白い。
「世界には愛しかない」と過去に歌っているので、愛の拒否は厳禁。
興味ないね
嗅覚:「何かの香りがしてたのに・・興味もなかった」
セゾンに興味が無い。
”何かの香り”が花→春夏→恋だとして「恋の香りがしてたのに、余裕も興味もなかった」と読むとしっくり。
ATフィールド
触覚:「自分の半径1m 見えないバリア張った」
ここまでガチガチに閉ざしてたら、”大切な人”は見過ごしても仕方が無い。
セゾンの無い世界から、僕を連れ出してくれた君。
一瞬の光
光、折々の色、四季、永遠。
道端の雑草から、スケールをぐんと広げた、詩的な歌詞。
バリアから連れ出されて、悟りを開いたんじゃねえかと疑うレベル。
「一瞬の光」を「見過ごしちゃもったいない→大切な人→君」もしくは「日常を輝かせる→君」と繋げて、どれが欠けたって永遠(の愛)は生まれない・・微妙か。
あとは、最初の「青春(青年)、朱夏(壮年)、白秋(中年)、玄冬(老年)」から人生。
「一瞬の光」を欅坂46に重ねると、「折々の色」や「そのどれが欠けたって」と合わせていい感じになりますね。
儚く切ない月日よ
この「儚く切ない月日よ 忘れないで」が切ない。
片想い、ひと夏の恋、一生の恋、どのセゾンで捉えても切ない表現です。
こうなると、”永遠”は二人の恋ではなく、人も、花も、星も、永遠に「出会いと別れの繰り返し」と考えるべきなのか。「恋は一瞬」で、「愛は永遠」と解釈する余地も残されています。
欅坂46のファンとみると「春夏で恋をして」「秋冬で去って行く」が悲しい。
目線を上げて
「道端咲いてる雑草」から「花のない桜」へ。
”僕”が目線を上げ、セゾン(桜)を直視。映像的に主人公の変化がわかり、曲も相まってクライマックス感ぷんぷんです。ただし、”ケヤキ”ではない。
君が去った後、僕が自分自身に語りかけているようにも見えます。
あと「花開く日を夢見て・・」的なメッセージ色。
「心の窓」、開けたのは君?
扉より窓の方が、入り込まれないので安心。
生まれ変わり
「生きるとは変わること」を、”生まれ変わり”として「青年、壮年、中年」と年を重ねていく度に”生まれ変われる”と読んでみたり。
「生まれ変わり=輪廻」で、セゾンも君も僕も「生まれ変わりする(CV:茅野愛衣)」と解釈したり。恋、新しい自分、etc、「生まれ変われる」というワードは広げやすい。
初めて感じたときめき
「初めて感じたときめき」と「儚く切ない月日よ」の歌詞が曲とマッチしているのが好きで、魅力の7割くらいはこの歌詞のせいだと感じています(←言い過ぎ)。
君と過ごした儚く切ない月日、「思い出はカレンダー」。
僕もセゾン
僕もセゾン。
What did you say now?
二人セゾンとは何か?
では、二人セゾンとは何でしょうか?
私の解釈はずばり、「二人セゾン」です(キリッ
禅問答ではありません。笑
花見シーズン、紅葉シーズン、釣りシーズン・・
に並ぶ、二人セゾン。そう、人生における(←特に深い意味はない)。
狭く捉えるなら、片想いや恋人が二人で過ごした期間(恋愛期間)。
広く捉えるなら・・そう、人生(ry
歌詞は、こんな感じでしょうか。笑
欅坂46『二人セゾン』ちょこっと曲分析!
最後に、少しだけ曲分析を。
気持ちいいコード進行
大きなコードの流れは、The 王道(Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→ⅥmやⅠ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅲm・・系)の、ただ鳴らすだけでも曲になる、気持ち良いコード進行です。
Aメロ「誰かと~振りしてた」の進行「Ⅰ→Ⅴ/Ⅶ→♭Ⅶ→Ⅵ」あたりは、(アコギの)ベース音をド→シ→シ♭→ラ(KeyA♭)と滑らかに(半音で)動かしているので、更に気持ちいい。
メロディの跳躍
サビメロは5度跳躍が印象的。アイドル曲としては広い音域で、丁寧な演奏。「初めて感じたときめき」と「儚く切ない月日」両方を受け止めるメロディ。
ミュートギター
『二人セゾン』はメロディもコードもよく動くのですが、面白いのはミュートギターのソ(E♭)+たまにラ。このエレキギターだけが、A/Bメロ通して8分音符でほぼ変化せずに刻み続けています。
5度はぶつかりにくいので保続させがちな音ではあるのですが、手前で鳴っているのですごく目立ちます。
変化のラ♭
この音を耳で追いかけていると1箇所めちゃ気持ち良いポイントがありまして、それが歌詞「What did you say now?」。ここでラ♭(E)に移ります(※サビ頭のⅢ7→Ⅳもラ♭)。
コードは「C7→Fm(Ⅲ7→Ⅵm)」と動き、Bメロ頭のマイナー感(平行調のKeyFm)で切ない雰囲気に変わりますが、Aメロ頭からずっと動かなかったミュートギターの音も一緒に動くので「動かなかったソ(とたまにラ)が動くとは、何事だ!」と注目間違いなし。
爆発のギター
そして、最後のサビでそのエレキギターが「アイドル曲だから抑えていたけど、も、もう我慢できないセゾン!」とばかりにチョーキングやら何やらで感情を爆発させるので、聴いている方にもこみ上げてくるものがあるんですね。
実際はエレキも2本以上使って裏でアルペジオとかコードを刻んでいるので、どっちが弾いてる(設定)かわからないんですけど「ラストのギターは、あのミュートギターが弾いてるんだ!」と捉えた方が楽しいですよね、っていう話です。笑
是非、注目してみてください。
『二人セゾン』、好き。
ありがとうございました。
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