「マイナースケール」(短音階)は暗い音階?
暗くしている原因は何でしょうか?
平行調についても少しだけ。
マイナー・スケールとは!?
↓が、Cナチュラル・マイナー・スケールです。
エオリアンモードとも言います。メジャースケールと比べて、♭が3つほど増えています。
ナチュラル・マイナー・スケールは「暗い響きがする」と言われますが、その原因はおそらく短3度(ミ♭)。とにもかくにも、マイナー・スケールときたら短3度。短6度や短7度よりも短3度です。
ナチュラル・マイナーの音程
音程はこんな感じ↓
M=Majorでm=minor。
運悪く、両方の頭文字がMなので、大文字と小文字で違いを表現します。
3種のマイナー・スケール
ナチュラル・マイナー・スケールをナチュラルと呼ぶのは、ナチュラルじゃないマイナースケールがあるからです。
ハーモニック・マイナー・スケール↓
メロディック・マイナー・スケール↓
人工的に作られた2つのマイナー・スケールも大切で、コード進行的にはハーモニック、ジャズあたりだとメロディックが活躍しますが・・説明しきれない(作曲やアドリブの話になる)ので、端折らせていただきます。
とりあえずここでは
「ナチュラル・マイナーの”シ♭”を導音”シ”に変えて、Ⅴ7(ソシレファ)を弾けるようにしたハーモニック・マイナー」
「ラ♭もラに変えちゃって(増2度を無くし)、アドリブや作曲、ドミナント・コードで何かと便利なメロディック・マイナー」
という理解でお願いします。
あと、ナチュラルと書くのがめんどk
以後、マイナースケールと呼ぶことにします。
マイナー・スケールとメジャー・スケールの関係
このマイナースケール。何となく並べてできたスケールではありません。
実は、メジャースケールのラから並べた音階なのです。
ラから並べて↓
度数も足してみました。
気が付いた方もいると思いますが、CメジャースケールとAマイナースケールは構成音が全く同じなんです。
何故か?それは!
CメジャースケールのA(ラ)から並べた音階が、Aマイナースケールだから。
CDEFGAB=ドレミファソラシをA(ラ)から並べると
ABCDEFG=ラシドレミファソで、Aマイナースケールです。
もう一度!
Cメジャースケールの構成音は、Aマイナースケールと全く同じ↓
上がCメジャー・スケール(アイオニアン)で、下がAマイナー・スケール(エオリアン)。
ちなみに、CメジャースケールとCマイナースケールは、構成音が違います。
Cメジャースケール=C,D,E,F,G,A,B
=R, M2, M3, P4, P5, M6, M7
Cマイナースケール=C,D,E♭,F,G,A♭,B♭
=R, M2, m3, P4, P5, m6, m7
構成音が同じなのは、Cメジャースケールと、Aマイナースケールです。Aマイナースケールは、Cメジャースケールの6番目のA(ラ)の音から並べたスケール。この、CメジャーとAマイナーのような関係を平行調と言います。
平行調とは!?
平行調とは
平行調(へいこうちょう):同じ調号によって示される調。ある長調(メジャー)に対して同じ調号の短調(マイナー)、またある短調に対して同じ調号の長調。
関係調 – Wikipediaより
メジャースケールの6度の音(ラ)を主音として並べた音階が、(ラ)マイナースケールです。(ラ)の位置には音名が入ります。構成音が同じなので、調号(#や♭の数)に変化はありません。
Cメジャーなら、ラ=Aなので、平行調はAマイナースケール。
E♭メジャーなら、ラ=Cなので、平行調はCマイナースケール。
繰り返しになりますが、平行調は構成音が全く同じなので#や♭の数も全く同じになります。
CメジャーとAマイナーは、#も♭も共に0。
E♭メジャーとCマイナーは、♭が共に3つです。
平行調をしっかり理解
平行調を確実にするために、ややこしい説明をします。これで理解できればバッチリです!
まずはCマイナースケール。
Cマイナースケールの「中心音C」に「主音ド」を置くと、階名は「ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ♭、シ♭」となります。
一方、Cマイナースケールの平行調である、
E♭メジャースケールの「6番目の音C」に「主音ラ」を置くと、階名は「ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ」となります。
これも見方を変えれば、さっきと同じCマイナースケールです。
ただし、階名が違います。でも音名は全く同じ。
ドを主音にした場合と、ラを主音にした場合の違いです。
ドとラの2パターンあるメリットは何か?
ドを主音にする場合、”主音からの音程が一目でわかる”というメリットがあります。多くの人が、メジャースケールを基準に他のスケールも考えているので、「ミ♭」と書かれていると「あぁ、ミが半音下がったやつね」と直感的に理解しやすいのです。
一方、ラを主音にする方法は、歌を歌うときや、ギターのポジションを考えるときなど「既に知っているドレミファソラシ」の考え方を変化させずに使うことができるので、何かと便利。「ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ♭、シ♭」と、余計な♭を付けずに「ラシドレミファソラ」で考えたい人にはピッタリ。
今度はAマイナースケールで説明します。
Aマイナースケールの「中心音A」に「主音ド」を置いて並べると、階名は「ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ♭、シ♭」。
そして、Aマイナー・スケールの平行調は「ラ、シ、ド」、音名だと「A、B、C」で3番目の音、つまりCメジャーになります。
その、平行調Cメジャースケールの「6番目の音A」に「主音ラ」を置いて並べると、階名は「ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ」、Aマイナースケールになりました。
あえてややこしい言い方をしました。いまいちな方は、一度休憩を挟んで
「CメジャースケールとAマイナースケール」
「CマイナースケールとE♭メジャースケール」
を、各スケールの法則に従って、五線譜に書いてみてください。次に、ギターやピアノで「全全半・・」のように調べながら弾く。そして、使っている音符「構成音」が同じことを確認できれば、きっと理解できます。
メジャースケールのモード
マイナースケールが「メジャースケールの6番目(ラ)」の音から並べた音であるならば、2番目(レ)や3番目(ミ)から並べたスケールもあるはずです。
ドから並べた「アイオニアンモード」=メジャー・スケール
レから並べた「ドリアンモード」
ミから並べた「フリジアンモード」
ファから並べた「リディアンモード」
ソから並べた「ミクソリディアンモード」
ラから並べた「エオリアンモード」=ナチュラル・マイナー・スケール
シから並べた「ロクリアンモード」
以上が、いわゆる教会旋法(チャーチモード)です。
スケールを元にした音階を、モードと言います。用語にこだわる必要はありません。メジャースケールは7つの音があるので、それぞれの音を元にした7つのモードがあるということ。
もちろん、メジャー・スケール以外のスケールを基準にしたモードもあって、メロディック・マイナー・スケールのモードが使用頻度高めな気がします。
マイナースケールの練習!
『ダイアモンドクレバス』
マイナースケールを体感してみましょう!
『ダイアモンドクレバス』
(作詞:hal / 作曲:菅野よう子 / 唄:シェリル・ノーム starring May’n)
テレビアニメ『マクロスF』のエンディング。
「菅野よう子さんて、やっぱりすげーわ」としみじみ感じた作品。マクロスシリーズと音楽は、切っても切り離せない。
それでは弾いてみましょう!
耳コピ練習を兼ねて、メロディを弾いてみてください。
使用させていただく動画は、歌ってみたカテゴリから海苔子さん。
はじめのKeyはD。
サビからはKeyDm(F)に転調しています。
同主調への転調。2番目以降も似たような感じだと思います。
それではどうぞ。
……
いかがでしょうか?
歌詞の出だしは
「ドシードシーソー ミファソーソソーラソードドー」。
サビ(Dm)の出だしは
「ドドドラドレ ミミミドミソ ラーミーレドーミー」です。
次回はコードの基本、ダイアとニック・コードいきましょう。
ありがとうございました。
次回は>ダイアトニック・コード
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