山ほどあるコード。
でも実は、ほとんどの曲が「ダイアトニック・コード」だけで演奏可能なんです。
まずはダイアトニックコードを作ってみましょう。いきますよー!
Cメジャースケールを、ドン!
3度の音を上に重ねます。えいっ!
※”3度の音”については↓で説明しています。
もう一段、また3度上に重ねます。それっ!
これが、Cメジャー・スケールのダイアトニック・コードです。
音が3つ重なって、三和音。
和音とは
和音(chord(コード))とは、3つ以上の高さの音が同時に響くことを言います。
和音 – Wikibooksより
おまけで、もう一段重ねちゃいます。とりゃぁ!
四和音のダイアトニック・コードです!
音が縦に4つ重なって、四和音。
こうしてダイアトニック・コードは作られています。
スケールの上に、3度の間隔(1つ飛ばし)で音を重ねただけ。
ダイアトニック・コードとは!?
ダイアトニック(diatonic)は「全音階の」という意味らしいです。全音階は、メジャースケールやマイナースケールのこと。
Cメジャースケールの音に3度ずつ音を重ねていって、Cメジャースケールのダイアトニック・コードを作りました。そして、重ねた3度の音は全て
Cメジャースケール内の音
ここがポイントです。
例えば、
C(ド)の上にはE(ミ)で、長3度。
D(レ)の上にはF(ファ)で、短3度。
面倒なら、ドレミファソラシを一つ飛ばして、
「ドレミファソラシ」→ドミソ
「ドレミファソラシ」→レファラ
でも構いません。
全てスケール内の音です。もし、ドの上に「ミ♭」を重ねてしまうと、Cメジャースケール内の音から外れて、Cマイナースケールの音となり、Cメジャーのダイアトニック・コードではなくなります。
ダイアトニック・コードとは
「全音階(何かしらのスケール)の上に、そのスケール内の音だけを使って、(基本的に)3度音程を積み重ねて作られたコード」
そして、音を3つ重ねたものをトライアド(三和音)、4つ重ねたものをセブンスコード、テトラッド(四和音)と呼びます。
三和音(トライアド)!
Cメジャースケールのダイアトニック・コードを見ていきます。
今回は三和音(トライアド)
色なんかも付けちゃって、フォイ。
変な文字が増えました。
一番下の「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)」
これが、Cメジャースケールのダイアトニック・コードです。楽譜でよく見かけるコードばかり。
Cメジャーのダイアトニック・コードなので、全てCメジャースケールの構成音から作られます。例えば、
コードCなら「C,E,G(ドミソ)」の三和音。
コードDmなら「D,F,A(レファラ)」の三和音。
五線譜で、確認してみてください。
Bm(♭5)などちょっと難しそうなコードも、構成音は「B,D,F(シレファ)」の3音で、全てCメジャースケール内の音です。
ダイアトニック・コードの使い方
「ダイアトニック・コードの意味はわかったけど、これって何に使えるの?」
お答えします。
Cメジャースケールのダイアトニック・コードは、
「Cメジャーキーの曲で使えます!」
「おぉー」
もう言っちゃえば、KeyCの曲なら、Cメジャーのダイアトニック・コードだけで作れます!
いや・・さすがに言い過ぎました。普通はコードをちょいとオシャレにしたり(sus4、add9、テンションなど)、他のキーからダイアトニック・コードを借りたり(Cメジャーの曲で、CマイナーのⅣm(Fm)を借りるなど)、コードの流れを作ったり(dimやaug、スラッシュコードやセカンダリードミナント、裏コードにナポリの和音など)、一時的なものも含め転調させたりするので、ダイアトニック外(ノンダイアトニック)のコードを使っている曲がほとんどです。
ただし!ダイアトニック・コードだけでも曲になります。「初心者向けに、コードを簡単にしてみました!」なんてのは、大体ダイアトニック・コードに直したやつ。テンションを削ったコードです。
では何故、ダイアトニック・コードだけで曲が作れるのでしょうか?理由は簡単。
「ダイアトニック・コードの構成音が全て、スケール内の音だから」
うーん、そのまま。「曲中にCメジャーキーのダイアトニック・コードが多いから。つまり、曲に出てくる音がほぼCメジャースケールの構成音だから、Cメジャースケールなんだ!」という考え方もできるでしょう。※メロディがメジャー/マイナー以外の音を多用する民族音楽は除きます。
以前行った「アドリブ練習」でもそうでしたが
あの時も、スケール内の音「ドレミファソラシ」だけで演奏しました。適当に弾いても、さまになったと思います。
KeyCメジャーキーの曲であれば、Cメジャー・スケールとの相性は抜群なのです。そして、それはコードでも言えること。
ローマ数字で表すダイアトニック・コード!
画像が見えなくなってしまったので、もう一度載せます。
一番上の
「Ⅰ、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶm(♭5)」
はどういう意味でしょうか。
ファイナルファンタジーシリーズで見るやつですね。
FF最新作・・・画質ヤバ過ぎでしょ。
ウィンナーのクラウドさん・・・
この「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ・・」はローマ数字というやつです。
Ⅰ(1)、Ⅱ(2)、Ⅲ(3)、Ⅳ(4)、Ⅴ(5)、Ⅵ(6)、Ⅶ(7)
では、何故ローマ数字で表すのか?
皆さんもお気づきでしょう。
移動ドを使うときにとても便利
なんです!
※移動ドの説明は「移動ドとは?」にて↓
ダイアトニック・コードを書いてみる
実際にやってみましょう。
KeyCではなく、KeyDのダイアトニック・コードで考えてみます。まずは、KeyDのDメジャースケールを並べてみましょう。
Dから「全・全・半・全・全・全・半」
かっこよくやるなら「完全1度・長2度・長3度・完全4度・完全5度・長6度・長7度」
英語なんか使っちゃったりして「P1,M2,M3,P4,P5,M6,M7」てな感じで・・・恥ずかしい。
こうですね↓
「D、E、F#、G、A、B、C#」
そして、これにローマ数字を当てはめて
「D=Ⅰ、E=Ⅱ、F#=Ⅲ、G=Ⅳ、A=Ⅴ、B=Ⅵ、C#=Ⅶ」
それでは、Dメジャースケールのダイアトニックコードを作るために、ローマ数字のダイアトニックコードを書き出します。
「Ⅰ、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶm(♭5)」
これ↑は覚えましょう。ゆっくりで大丈夫です。
ダイアトニック・コードの覚え方
覚え方としては
・Ⅰ、Ⅳが△7(Ⅰ△7、Ⅳ△7)
・Ⅴが7で超大事(Ⅴ7)。半音2個入り(ファとシ)
・メジャーキーではこのスリーコード(Ⅰ、Ⅳ、Ⅴ)が大活躍!
・Ⅶだけm7(♭5)なのでのけ者にされ(Ⅶm7-5)
・残りのⅡ、Ⅲ、Ⅵがm7(Ⅱm7、Ⅲm7、Ⅵm7)になってスリーコードを支える!
でバッチリ(適当)。最初から四和音で覚えた方が、後で楽です。
そして、スケールを当てはめると↓
「D、Em、F#m、G、A、Bm、C#m(♭5)」
完成です!
これが、Dメジャースケールのダイアトニックコード。
Dメジャーキーの曲で使えます。
よく見ると、「Em」や「G」なんかは、Cメジャーのダイアトニック・コードとかぶっています。このように、Keyが違ってもかぶる(同じ)コードはいくつかあります。
ダイアトニック・コードは移動に便利
ん?移動ド出てきました?
いえ、ここからです。このDメジャーのDに主音ドを置くと
「D(ド)、E(レ)、F#(ミ)、G(ファ)、A(ソ)、B(ラ)、C#(シ)」
それでは、コードのDを弾いてみてください。どうぞ。
「!?」
はい。難しいです。
簡単にできた人は、コードはバッチリ。
では、移動ドで考えてみます。
コードのDはKeyDメジャーだとⅠにあたり、Ⅰの構成音を階名で表すと、Keyが何であれ「ドミソ」となります。移動ドで考えると、KeyDなのでD=ド。
ということは、そうです。
「ドミソ」を弾けば良いだけなんです。
では、Emならどうでしょう?
KeyDのⅡmなので「レファラ」を弾けば良いだけ。
Ⅰならドミソ
Ⅱmならレファラ
Ⅲmならミソシ
Ⅳならファラド
Ⅴならソシレ
Ⅵmならラドミ
Ⅶm(♭5)ならシレファ
朝飯前です。
移調とダイアトニック・コード
移調した場合はどうでしょうか。
KeyCで
「C→F→G→C」
というコード進行があったとします。
急に、ボーカルが「どうしてもKeyDで歌いたい!」と言いだしました。各パートは、すぐにキーを変えて弾いてください。さあどうぞ。
(ピアノ)あわあわあわ・・・
(ギター)はい。任せてください!
笑
※ピアノをディスっているわけではありません。移調する場合、鍵盤の配置からみて、ギターの方が移調しやすいということを表現しています。私の経験上、むしろピアノは習っていた人が多いため、ギターよりも早く対応できる人が多い。(偏見)
まずは、コード進行をローマ数字に直します。
「C(Ⅰ)→F(Ⅳ)→G(Ⅴ)→C(Ⅰ)」
「Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ」
そして、KeyDのDメジャースケールの音を書き出して
「D、E、F#、G、A、B、C#」
ローマ数字を当てはめて
「D=Ⅰ、E=Ⅱ、F#=Ⅲ、G=Ⅳ、A=Ⅴ、B=Ⅵ、C#=Ⅶ」
そして、エイッ!!
「D→G→A→D」
できました!!
昼飯前です。
ダイアトニック・コードの構成音(三和音)
それでは、真ん中に書いてある、小さな文字を見ていきましょう。
コードCの上にある「R,M3,P5」というやつです。
R=ルート
M3=メジャー3rd
P5=パーフェクト5th
そう、インターバルです。
ルート(R)からの距離を表しています。例えばコードCなら、
C(R)
E(Rからの距離がM3)
G(Rからの距離がP5)
という具合。
Ⅰ、Ⅳ、Ⅴは、「R,M3,P5」で構成されています。
これが「メジャー・トライアド」のコード・トーン。
Ⅱm、Ⅲm、Ⅵmは、「R,m3,P5」で構成。
これが「マイナー・トライアド」のコード・トーン。
そして、Ⅶm(♭5)だけが「R,m3,♭5」で構成されています。
これが「ディミニッシュ・トライアド」のコード・トーンです。
※ただし四和音になるとハーフ・ディミニッシュになる。
四和音のダイアトニック・コード
それでは、最後に四和音も少しだけ。
考え方は、三和音(トライアド)と同じ。
三和音のダイアトニックコードに、7度の音が加わって
「Ⅰ△7、Ⅱm7、Ⅲm7、Ⅳ△7、Ⅴ7、Ⅵm7、Ⅶm7(♭5)」
これも覚えてください。ゆっくりで大丈夫です。
色付きも。フォイ。
次回は、実際にコードを作っていきます。
ありがとうございました。
次回は>コードの作り方・覚え方part1
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