前回の「耳で探す転調!」の余談です。
バンドでリズムを合わせる。
当たり前だけど、これがなかなか難しい。
今回はバンドとリズムについて考えてみます。
バンドとリズム!
『Cagayake!GIRLS』の他の演奏動画もいろいろ見ていたのですが、めっさ可愛い動画見つけました。これだからニコニコってやつは!(ニコニコ)
(動画:はっぴぃ・すぱいだぁさん)
動画を見ると、ギター、ベース、ボーカルは足と体全体でリズム、キーボードは上半身でリズムを取っています。
このように、体の一部か全体でリズムを取るのは、非常におすすめです。リズム以外にも、ライブで人前に立ってガチガチに緊張したとき、体を動かすことで”ある程度”緊張がほぐれるという利点も。
ズレるのは誰のせい?
そして、このバンドでのリズム!
結構ズレるんですよね。
それは何故か!?これはもう確信を持って言えます。
「自分以外の人がズレるから!」
笑
「自分を棚上げすんじゃねえよ!」
そう思いますか?違います。
メンバー全員が「俺(私)以外ずれてんなぁー」と、思ってます。
そういうときは、ズレたときに合わせる人を決めておきます。
普通はドラムにするでしょう。
何故ドラムなのか?理由があります。
それは・・
「ドラム以外の音が聴こえない」
ことがあるからです。普通、バンドで大きな音を出して演奏するときは、返しのアンプ(モニター)を使います。ライブなんかで、よくボーカルが片足を乗っけるアレです。
ただ、演奏環境が整っていない文化祭の即席ステージなんかの場合、返しのアンプがないと、ドラムは自分の音がでかすぎてボーカルの音はほとんど聴こえません。特にボーカルは左右スピーカーから音を出すことが多いので、ドラムが真ん中(後方)に位置するとかなり厳しい。
ギター・ベースアンプも真正面を向いていたらきつい。テレビアニメ『けいおん!!』で、一瞬ドラムをド真ん中に置こうとしましたが、やはりバディ・リッチ並みのソロプレイ(と注目度)がないと「は?」という空気でザワつくでしょう。あと、スネアがサワサワ鳴ります。
なので、「ドラムって絶対リズム感あるしぃー」などという迷信ではなく、「ドラムが一番、音が聞こえづらい」という悲しい理由で、ドラムに合わせるべきなのです。
私は過去に何度かボーカルの声がほぼ聴こえない状態で、ドラムを叩いたことがあります。
ボーカルのテンポを知る手段は、リズムを取る後姿だけ。そういうときのためにも、体でリズムを取るべきでしょう。笑
ただ最近だと、機材がそろっている学校も多いですよね(裏山)。
ライブハウスならモニターできることが多いので、一番リズム感がある人か、バンドのリーダー的な人に合わせれば大丈夫です。
指摘する勇気
今、「俺(私)以外ずれてんなぁー」と言いましたが、私の個人的経験と偏見だと、鍵盤楽器に「リズムを合わせるのが苦手」という方が多い気がします。アマチュアだけでなく、プロのライブでも「リズム、えっ?」という演奏をまあまあ見かけます。※私が(聴く側として)一番好きな楽器が鍵盤なので、変に意識しすぎているだけかもしれません。
鍵盤系(ピアノ、キーボードなど)は、習っていた人が多いので「技術はすごいのに、リズムは・・アレ?」と感じやすい。バンドにおけるキーボードは和音を刻むので、フレーズを間違えるより、リズムを外す方が目立ちます。※個人的意見
また、「リズムは合ってるんだけど、何か違和感がある」場合、ノリ、グルーヴが曲と合っていない可能性大。ノリを言葉で共有できないときは、全員で(できるだけ同じ動きで)踊りながら演奏するのも一つの手。アクセントを上手く使ってください。
「リズム(ノリ)がおかしい」と感じたら、上手いこと伝えましょう。それが鍵盤の場合、大抵演奏歴が一番長いので指摘しづらいかもしれません。ただ、そのままダラダラやっていても誰のためにもなりません。それがドラムやベースなら、なお更すぐに指摘しましょう。もしそれがギター(自分)なら、きちんと練習しましょう(笑)。
無意味な気遣いはやめて、有意義な練習を。
リズムの修正
もう一つ、リズムに関しての注意点があります。
「リズムがズレてから修正するのは遅すぎる」ということ。「なんかズレそう・・」と思った瞬間に修正してください。意識すればできます。
ちなみに、ギターソロやベースソロ、ドラムソロなど、ソロの時に「一人だけ意図的にリズムから抜け出して演奏する」ことはよくあります。
ギターソロの入りは、リズムよりも少しゆっくり目に始める。ソロの最後でリズムがピッタリ合うけど、それ以外は比較的自由といった奏法。良い意味で目立ちますし、ソロはそうした方が良いことも多い。
変拍子も含めそういった演奏をする場合、他のメンバーも事前に把握しておきましょう。
ドラムが拍子を崩したソロを始めて、今までドラムだけでリズムを取っていたギターの自分が、カウントを取り損ねてぐちゃぐちゃに・・なんてことに。
また、途中でテンションが上がって、わざとテンポを早くすることもあるでしょう。そのときは「その曲で、演奏するのが一番大変な楽器」に気を使わないといけません。
XJapanのhideの顔が引きつっている映像を見たことがあるかと思います。
かたや、余裕の表情のPATA。
観客に歌わせるToshi。
更に加速するYOSHIKI。
気を付けましょう。
日本人のリズム感
バンドでリズム練習をするなら「ソウル系」のコピーが(楽しくノレるので)おすすめ。まずはファンクの帝王、JB(James Brown)あたりから。※ボーカル・パフォーマンスの練習にもなります。笑
「日本人はリズム感が無い」というお決まりフレーズがありますが、私は信じていません。スポーツなら、(陸上競技などを見る限り)遺伝子レベルでのハンデがあると思いますが、リズム感は関係ないでしょう。
黒人の友人も数人いますが、(ダンスや楽器をやっていないので)普通の日本人と変わらぬリズム感です。
日本人は”遺伝子的に”リズム感が無いのではなく、「”育ってきた環境的に”リズムパターンを知らない」のです。
wikiに書いてある音楽ジャンルと代表的なアーティストを、50年代あたりからさっとYouTubeで検索してみてください。特に黒人系音楽。豊富なリズム・パターンが出てきます。
これに触れてきたか、触れてきていないか、それだけのこと。完全な想像ですが、毎年紅白で演歌が流れるように、海外ではブルースやらファンクやらが流れていたのでしょう。マイケル・ジャクソンみたいなスターもいっぱい踊っている。そのリズム(の取り方や種類)を「知っているか、知らないか」。
ドラムを意識的に3年もやれば、ある程度のリズム感は手に入ります。ダンスもそうでしょう。いろんな種類の音楽を聴いて、「複数のリズムの取り方」でノッてみてください。表と裏だけでなく、ポリリズム的なものも含めて。バンドのレベルが、ぐんと上がるかもしれません。
ドラムはつらいよ
それともう一つ。けいおん動画の1分05秒のドラムのフィルインが、コメントでdisられています。
disるとは
disrespectの略。respect(尊敬する)の反対、つまりこき下ろすこと。
disとは (ディスとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
あれは、おそらく
「ススババ タ1タ1ババ タ2タ2ババ フフババ」
(※ス=スネア、バ=バスドラム、タ=タム、フ=フロアタム)
と叩きたかったんだと思います。
ドコドコドコーと、かっこいいフレーズになるはずなのですが、曲全体を通してバスドラムの音量が小さい。
アンプで音をがんがん出して演奏するのなら、せめてバスドラムにだけはマイクを置いて欲しいのがドラム心。ドラムなんて(アンプ無しの)ウッドベースやピアノと一緒に演奏しているような楽器ですから。
低音は全て、ベースアンプがさらってしまいます。
音が混ざると、消えてしまう音もあるんです。
「バスドラのアタック+ベースで音程付け」
が良い感じのバランスで聴こえるのが理想。
ドラム以外の人は、覚えておいてください。笑
最後に、これだけは言っておかなければいけません。
私は、紬ちゃん派です!
ありがとうございました。
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