速弾きが上達するコツと練習方法! 大切なのは【神経】

速弾きに必要なのは、”筋力”ではなく”神経”です。

右利きの人が左手を使いこなすために必要なのは、筋力ではありません。左手を訓練して、脳の神経回路をつなげる必要があります。

運動神経のカテゴリに入れるならば、速弾きの習得もこれと似たような理屈。

すでにピアノや他の弦楽器で速弾きができる人は、ギターの速弾きも比較的容易にできると思います。指を速く動かす神経が、発達しているため。

また、ギターの弦はグランドピアノの鍵盤ほど重くありません。音量はピック(右手)で調整するので、練習時につく筋力だけで十分。

ギターだと、ピアノ練習でいうハノン的(くらい有名)なトレーニング本が無いので、個人で練習メニューを組むか、ギター教則本の使用をおすすめします。貴族(伯爵)に憧れるならバッハのコピーもいいでしょう。BWV1004『無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調』の5曲目「Chaconne」がカッコイイのでおすすめです。

運指の練習になりますし、歪ませても気持ちよく、無伴奏でも飽きません。ちなみに、スキャロップに手を出すのは、左手の脱力を習得してからでも遅くありません。

前置きはこのくらいにして、早速練習していきましょう。

速弾き練習!

右手のピッキング練習01

はじめはゆっくりのテンポから練習します。
今回は、BPM「60」からはじめましょう。

BPMは「Beats Per Minute」の略。「Beats / Minute」つまり、一分間に何回拍子を取るかを表します。

BPM「60」であれば、1分間に60回テンポを刻みます。時計の1秒と同じテンポです。

速弾きは、一般的に16分音符で考えます。
これです↓

16分音符は1拍につき4回、音を刻みます。4/4拍子の場合、1小節を4拍と考えて4×4で16回。1小節を16分割した長さ。速弾きだと3連符、5連符なども出てきますので、分割の考え方が役立ちます。

テンポ(BPM)「60」で考えると、拍子を「1」刻むごとに4つ音を刻む。つまり、1秒間に4つ音を刻みます。

メトロノームが手元に無い方は、「Web Metronome」を使ってみてください。
まずは、テンポ「60」に設定して・・どうぞ!

どうでしょう?
「テンポが遅くて、上手くノリきれない!」
テンポ40ならどうでしょう?
「テンポ60なら合わせられるけど、40は遅くて難しい!」

という方は、あえて遅いテンポから練習してみてください。遅いリズムに合わせられない場合、「普段なんとなくリズムを取っている」可能性大。一般的な曲のリズムに慣れているだけ。3日も練習すれば、感覚をつかめます。

この練習で意識してほしいのは、右手のピッキングです(左利き用のギターであれば、逆)。

そのピッキングを3倍の速さにしても弾けるのか?

を意識してください。実際の速弾きでは、そのくらいの速さ(テンポ180)までいきます。

右手のコツ

コツとしては、

・脱力する。
・手首のスナップを使う。
・ピックを強く握らないで尻側を持つ。

あたりが有名。ですが、結局は運動神経と同じで、どれか一つが原因ということではなく、全体のバランスによって決まります。つまるところ、己で原因と改善点を考えていくのが、速弾き上達のコツです。

もう一つコツとして、「拍の頭にアクセントを置く」。16分音符なら、1小節で4回のアクセントをつけてみてください。テンポが速くなるごとに、アクセントの数を減らしていきます(1小節で2回など)。

人間は機械のように、一定のリズムを取り続けるのは難しい。4つで1セット感覚でリズムを取ると、勢いをコントロールしやすいと思います。もちろん、拍の頭に変なアクセントが付いてしまうので、慣れてきたら調整してください。

「○打で一周」のように捉えると、勢いがリセットされて脱力しやすい。最初は大げさで変な動きになりますが、イメージさえつかめれば、体の動きは後から修正できます。イメージをつかむため、スムーズに16分を刻める動きを探してみてください。

単にリズムからずれてしまう(速くなったり遅くなったり)なら、足でリズムをとるだけでも効果があると思います。

「全くリズムに乗れない!」という方はリズム感を鍛えるをご覧ください。

テンポ60ができたら、「70」「80」と上げて「120」くらいまで。速弾きをはじめたばかりできれいに弾けるのは、テンポ120くらいまでではないでしょうか。

「140」くらいになると、右手と右腕、右肩に力が入りだします。心なしか姿勢も前かがみになって、身体全体がカチカチに。呼吸を止めたり、リラックスできていない状態は、速弾きにとって致命的。

ここが、上達の分かれ道です。右手が力みだしたら、一度練習を止めて「こら右手!脱力しなさいっ!」とカツを入れ、深呼吸。力まないテンポまで落として、「どうしたら力まないのか?」を30秒くらい考えて、練習再開。

無理の無いテンポに落として、改善してからの再チャレンジです。

左手のフィンガリング練習01

左手のフィンガリング練習。(左利き用のギターは、逆)

同じくテンポ「60」から練習していきます。

どうでしょう?
まず、”くそつまんないフレーズ”で、すみません。
機械的、カッコよく言えばメカニカルなフレーズだと思ってください。

「さっきの右手練習よりも、リズムにノリやすい!」
と感じた方も、いると思います。そう感じた方は、左手のフィンガリングでリズムを意識しているということです。

加茂先生の教則本によると「速弾きソロは左手でリズムを取れ!」と書いていたので、それで良いと思います・・が、左右両方で意識できれば怖いもの無しです。

テンポ60ができたら「70」「80」と上げて「100」くらいまで上げます。速弾き練習がはじめての方は、テンポ60でもきついと思います。どんどんテンポを落として練習しましょう。

テンポについていこうとして不自然な力が入ったままだと、上達速度はガクっと落ちます。「余裕で弾けるテンポ」でしっかりと脱力ができたら、テンポを上げて「無理なら戻る」の繰り返しです。

左手のコツ

左手のフィンガリングのコツは

とにかく脱力する!

指の筋力は、さほど重要ではありません。速くなればなるほど、押さえるのは一瞬。速度が上がると、指を動かす力だけで弦を押さえることができます。

バレーコードを押さえるときと同じような力を入れていると、指を壊します。テンポが上がるにつれて、指の力を抜いていきましょう。

理想の力加減は、ギリギリ弦を押さえることができるくらい。

弦を押さえる力がギリギリ”足りない”フィンガリング

弦を押さえる力が、”ギリギリ足りる”感覚をつかむのは難しいので、

弦を押さえる力が”ギリギリ足りない”フィンガリングをやってみましょう。足りていないので、極限まで脱力できます。

練習方法は、

「弦がフレットまで届かずに、ビリビリ鳴る程度で押弦を諦める」

という、いかにも脱力系の方法。
力はそのままに、指を動かす速度を上げていくと「こんなに力を抜いても、弦って押さえられるのか」と気がつくはずです。

また、押さえる意識が減った分、”指を戻す”方に意識を向けることができます。

変な癖がつかない程度に、試してみてください。

右手のピッキング練習02

再び右手のピッキング練習。
他の弦にも移動してみましょう。

同じく、テンポ「60」から。

ペンタトニック・スケールをなぞっただけの、クソつまんないフレーズなので、各自で練習フレーズを作ってみてください。

指板上のCメジャー・ペンタトニック・スケール

左手のフィンガリング練習02

左手のフィンガリング練習。
他の弦に移動してみます。

同じく、テンポ「60」から。

最初から、指4本の完璧な独立を目指すのではなく、とりあえず動く2~3本のレベルを底上げする方法をおススメします。

練習に対するモチベーションが上がります。指4本の成長を横並びで待つよりも、できる指は先へ進んだ方が、残った指のやる気も出るはず。

「指4本一緒に成長しないと意味がない!俺(私)たちは”仲間”だろうが!!」ドン!!

という考えの方は、2本の指で素晴らしいメロディを奏でる、ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt)に想いを馳せて。ついでに、ジプシー系のジャズ・ギタリストも聴いてみてください。

ビレリ・ラグレーン(Bireli Lagrene)が良い感じ。←の演奏はテンポ120前後。ソロ後半は16分を中心に、所々スピードアップ。曲や伴奏にもよりますが、120でもフレーズ次第(遅いフレーズと速いフレーズの組み合わせなど)で速く聴こえます。音楽は相対的。

ちなみに、遅れているやつを”ただ待つ”のが仲間ではないと、日本の素晴らしい漫画・アニメ作品は教えてくれたはずです。笑

クロマチック・トレーニング

クロマチック(半音階)のトレーニング。

この練習、めちゃくちゃ退屈です。
理由は、フレーズが音楽的ではないから。

4!=4×3×2×1=24通り
この数字を
1=人差し指
2=中指
3=薬指
4=小指
と考えて動かします。

1234のパターンを練習してみましょう。

『横移動』

 

『縦移動』

こんな感じです。繰り返しになりますが、つまんないフレーズなので飽きたらやめましょう。

”つまんない”は、成長の妨げになります。逆に”楽しい”は成長にとっても良いことだらけ。

両手で速弾き練習

実践的な練習。
右手と左手を合わせます。

テンポ「60」から徐々に上げていきます。

「ドレミファソラシ」と、スケールを上がって、下がるフレーズ。CAGED全てのポジションで練習してみてください。

つづいて「ドレミド」「レミファレ」のように、3度に上がって戻る練習と、その逆ver.。

途中でやめずに、どんどん上がっていっても面白いです。

動画で速弾き練習

速弾き練習inC

速弾き練習inC

無難なフレーズを紹介しましたが、すぐに飽きると思います。各自でフレーズを作ったり、教則本などを参考にしてください。↑の動画は、”テンポ120の8分音符”なので、実質”テンポ60の16分音符”と同じ速さです。

指板上のCメジャー・スケール

速弾きあれこれ!

睡眠と速弾き

速弾きの上達速度は、一定ではありません。
前提として、知っておいて欲しいことがあります。

楽器上達は”寝て”待て

脳科学系の本によると↓


(Amazonリンクです)

人間の脳は、睡眠によって記憶の整理と定着をはかるらしいのです。

「ピアノを練習した”数日後”にもう一度弾くと、以前よりも上手く指が動いた!」という経験談が載っていました。

ギターでも当てはまります。寝ることで情報が整理されて、脳の神経回路がどうとかなって、”使いやすい情報”となり、成長します。

私も実際に速弾きの練習後、1週間ギターを全く触らなかったのに、以前の限界のテンポより「5」上げても弾けた!という経験があります。寝たおかげですね。テンポが遅いうちは、グングン成長します。

そういう意味で、速弾きにはある程度の期間が必要。イヤでも”コツコツ練習”しないと伸びない・・つらいです。

左手が右手に追いつく

最初のうちは、左手のフィンガリングよりも右手のピッキングの方が、速いテンポで弾けます。これが「第1段階」

やがて、左手のフィンガリングが右手を追い越す時がきます(おそらく)。これが「第2段階」

ここからが、速弾き練習の本番。ここまでは、比較的スムーズに(練習時間に比例して)成長するのですが、右手の成長は難易度高め。故障の原因にもなりかねないので大きな声では言えないですが、”脱力からの脱皮”が必要になる瞬間があるかもしれません。速弾きギタリストのライブ映像などを見ると、痙攣させるような弾き方も見られます。

自分なりのフォーム研究・試行錯誤のはじまりです。このタイミングで教則本に手を出す方もいるでしょう(過去の私です)。フレーズによって弾き方を変える必要も出てくるので、教則本などでポイントを押さえ、ゆっくりと上達していくしかありません。変なクセがついてしまった方は、修正に時間を取られます。

右手が追いつくまでは、アンプを歪ませてハンマリング/プリングで弾くのも良いですが、やはり「フルピッキングでも弾ける」ようになりたいのが、ギタリストの本音。時間をかけて、育てていきましょう。

速弾きの基準

”速弾き”の基準。もちろんフレーズによりますが、あえて決めるなら、BPM「160」あたりから”速弾き”と言えるでしょう。

何故なら、X JAPANの『紅』が大体それくらいだから。90年代後半~00年代前半あたりにギターを始めたギタリストの間では、『紅』のソロが速弾きの入口みたいなところがあります(少なくとも私の周りでは)。

そこから極める人はBPM「200超え」という領域に向かって疾走するわけですが、一般的に「160」を安定して弾ければ、”一瞬だけ”(1小節程度)なら「180」も弾けるわけで・・。

安定してBPM「180」を弾けるようになれば、普通の曲(J-POPなど)で困ることは無いでしょう。

※ちなみに、ライブver.の『紅』は、YOSHIKIが加速するのが”習わし”ですので、注意してください。笑

おすすめの速弾き教則本

速弾き練習本で有名なのは『地獄の・・』シリーズ。

クリックでサイトへ

地獄シリーズは、フレーズ本です。

速弾きのテクニックやコツ、細かい解説などに関しては↓がおすすめ。

クリックでサイトへ

有名な加茂フミヨシ先生の本。とにかく、解説に説得力がある。ただフレーズをボン!と乗っけるのではなく、丁寧な解説で正しく導いてくれるので、おすすめの一冊です。

ネットで見れる速弾き動画!

最後に、ネットで見れる速弾き動画を紹介します。

まずは、先ほど紹介した加茂フミヨシ先生。

加茂フミヨシ著「速弾きがうまくなる理由ヘタな理由」

加茂フミヨシ著「速弾きがうまくなる理由ヘタな理由」

ニコ動で大人気の、アンジェロ先生。笑

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眉間にシワを寄せるhide、余裕のPATA、加速するYOSHIKI。

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ニコ動のすごい人、バーバリー君島さん。

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カントリーからAlbert Lee。チキンピッキングの練習に。

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ジャズの中でもジプシー系は速い。Bireli Lagrene。

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ギターを離れて、ベーシスト。
Niels-Henning Ørsted Pedersen。横のギターはジョーパス。

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ジャズピアノからOscar Peterson

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最後は日本の宝、上原ひろみ。技巧派のピアニストですが、個人的には(プログレっぽい)速弾きじゃなく、”誰が聴いても”気持ち良いブルージーなフレーズが好き。

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3:45あたりで登場。チック・コリアへの返事(コール&レスポンス)から。

ネームバリュー的にはチック・コリア、ナベサダ、上原ひろみ、(映像の後半に出てくる)ハンク・ジョーンズでしょうが、このセッションにおいては、ドラムがめっさカッコイイ。ソロの引き立て方、煽り方が気持ち良い。

ドラムが遊べる空白(5:02あたり)を作ってあげるひろみ姉さんに、感じるプロっぽさ(※プロです)。一定のリズムを刻んでくれるとドラムの遊びが引き立つのですが、ここで3拍目にアクセントを持ってくる、ひろみ姉さんの煽り(と謎の腰つき)でニヤり。ここでリズムを見失った人は不思議な感覚に。ピアノのアクセントを1拍目だと錯覚した人は、最後のタメでドキドキ。そして、再びリズムがピタリと合ったところで「かっけぇー」と感じるはずです。

さらにその後(5:25あたり)、姉さんの左手2拍子(頭は右手フレーズに合わせて)、右手3拍子(頭を半拍ずらした8分音符フレーズ)のポリリズム(複数の異なる拍子を同時に演奏している状態)。左手に注目すると3連符のように。4:40含め全体的にリズムを楽しめるソロ。聴き方を変えることで、新しいリズムを味わえます。ドラムで言うと、アクセントでリズム(音符)の区切り方を変えて・・速弾き関係ない。笑

速弾き練習は、くれぐれも腱鞘炎にならないよう気をつけてください。30分練習して指が疲れるようであれば、力の入りすぎです。リラックスしていきましょう。

ありがとうございました。

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