ソロギターの作り方! 初心者向け【TAB譜あり】

ギター1本でつくる癒しの世界。
ソロギターの作り方、紹介します。

目次

ソロギターとは?

皆さんは”ソロギター”というと、何を思い浮かべますか?
私は南澤大介さんの『ソロギターのしらべ』が浮かびます。


(Amazonリンクです)

”霧の深い、朝の森”でポロポロと弾きたい。小鳥たちも一緒に歌い、夜は”キャンプファイヤーを囲んで”なんてシチュエーションも最高。

変なこと言ってます?笑

ちなみに、キャンプファイヤーは火で手元がちらつきます。

さて、ソロギターは”難易度の幅が広い”です。
初級者向けと上級者向けでは、雲泥の差。

「それって、本当にギター1本?」
と、疑いたくなる超絶演奏もあります。

指が何本もあるなら、クラシック音楽のように流れるような伴奏を入れることも可能でしょう。しかし、ギターで使える指は5本、ないしは4本です。

今回はソロギター初心者入門編、”はじめてのソロギター”と題して、ほぼコードトーンだけのソロギターを作っていきましょう。だからと言って、ちゃちぃ仕上がりではありませんよ!

ソロギターの作り方!

最初はできれば説明どおりに。
コツを掴めたら、自由に作ってみてください。

○必ず楽譜に書く

ソロギター作りは、作曲と同じ。
必ず何かに記してください。
書かないと絶対に忘れます(経験あり)。

私的にはタブ譜がおすすめ。
タブ譜は、弾く弦とフレット数も記録できます。

私は、無料ソフトのパワータブエディターで書いています。頻繁にタブ譜を書く方であれば、有料のソフトがあらゆる面で便利だと思います。

紙に書くなら「タブ譜(白紙)」をプリントアウトして使ってください↓

白紙の指板図/コード・ダイアグラム/タブ譜/五線譜!【PDF】
ギターとベース用に白紙(何も書いていない)の指板図(フレットボードorフィンガーボード)、コード・ダイアグラム、タブ譜、五線譜を作りました。PDFファイルです。ダウンロード、印刷して使用してください。

紙の方が早いですが、再生できるという点で、ソフトの方が便利かなと思います。

○メロディをトップノート(一番高い音)に持ってくる

最初のうちは、メロディをトップノートに指定します。
慣れてきたら、色々試してください。

音を複数ジャランと弾いたときに、トップノートは耳に残りやすい。ソロギターはバッキングなどと違って、”歌のメロディ”も含みます。メロディを目立たせましょう!

メロディは1~3弦あたりで弾きたいですね。

○開放弦は良い響き

アコギの構造上、開放弦に近い方が響きは良いです。

試しに、開放弦を使った6弦3フレットルートのコードGと、6弦15フレットルートのGを弾き比べてみてください。サスティーンが違います。

ただ、こだわりすぎるのもよくない。カポを使ったり、チューニングを変えてもいいですが、今回はレギュラーチューニングでいきましょう。

開放弦を意識的に使うと、それっぽく仕上がります。

ベース音は低い方がメロディと分離して聴こえるので、開放弦に近い5、6弦がおすすめ。

●ソロギター作り方の手順

ざっくり書きます。

①キーを確認する

まずは曲のキーを確認しましょう。

耳で調べるなら「キーの探し方」↓

曲のキーの調べ方! 耳で簡単に探せる”終止感”
耳で簡単にキー(Key)を探す方法を紹介します。「終止感」を感じる音に注目して、楽譜を使わず、ギターやピアノなどの楽器を使って調べてみましょう。

楽譜で調べるなら「楽譜の調号」を参考にしてください↓

調号の調べ方と簡単な覚え方!【一覧表あり】
「五度圏」を使った調号の読み方と「裏技」を使った調べ方を紹介します。楽譜のキーが一発でわかるようになります。まとめの一覧表あり。

②ダイアトニック・コードとコード・トーンを書き出す

使う音を書き出します。

あとで実際にやりますので、よくわからない方は「ふーん。そうなの」で構いません。気になる方は「ダイアトニック・コード」をご覧ください↓

ダイアトニック・コードとは!? ほとんどの曲が弾けるコード
ダイアトニック・コードについて説明します。表も作りました。曲の理解と分析に便利で、移調にはかかせません。作曲やアレンジなど、幅広く使える基礎的な知識です。

ダイアトニック・コードコード・トーンを、メモ帳などに記します。作る時にチラチラ見て、参考にします。

③メロディを”とりあえず”タブ譜に書く

”とりあえず”がポイント!

後で修正するので、正しい音を取ることだけに集中。弾けるポジションが複数ある場合も気にする必要無し。ベース音、間の音を足していくと、弾きやすいポジションが変わってくるので、かなり修正されると思ってください。

・1~3弦以内に書く
・開放弦に近い方が良し(5フレット以内に収めたいですが、あまり気にせず)

を、なんとなく意識しながら、タブ譜に書いてみましょう。

④小節の1拍目にベース音を足す

メロディを全て書き終わったら、いよいよ本番。

まずは、ベース音から足していきます。

はじめのうちは、”小節の1拍目”だけベース音を足します。コードのルート音(AmならA)など。もちろん、原曲のベース音でもおk。

メロディに対して心地よく響く”合う音”ならなんでも構いません。

メロディとベース音の2音だけなので、すぐできます。

「そんな言われてもわからん。できへんわ!」

という方は、「変な音じゃなければ良い!」と自分ルールを作って、とりあえずベース音を入れましょう。

それでも変な響きになるときは「”あえて”変な音を使ってるんだからっ。勘違いしないでよねっ!」

と釘をさして、とにかく一曲を完成させます。

メジャースケールだと「ドレミファソラシ」の7音だけなので、”それなりに合う音”はあります。それでも合わない場合、スケール外の音も試してみます。部分的に転調しているのかもしれません。いや、合わなくても良い。とにかく1曲完成させましょう。

慣れてきたら、コードチェンジがある箇所などで、3拍目にベース音を入れてみてください。

ベース音は、メロディも一緒に(左手で)弾くことを意識して、足します。

このタイミングで、”ベース音と一緒に弾きにくいメロディ”移動・修正しても良いのですが、最後にまとめて修正する方が楽です。

弾けるパターンが複数考えられる場合は、両方書いて大丈夫。あとで修正します。

これで”メロディ”と”ベース音”が入りました。
骨だけ、最低限のソロギターの完成です。
これでも十分音楽になります。
が、もう少し肉付けしていきましょう。

⑤好きな音で埋めていく

実力の見せどころ。和声、進行なんて気にせず、オリジナリティをガンガン出していくも良し。コード・トーンで堅実に組み立てるも良し。可能性は無限大。

ベース音は、全て書き直しても良いです。
最初に書いたベース音は、仮の足場としての役目を果たします。

「あ、ここのメロディ間違ってた!」なんてこともよくあるので、ここで修正します。メロディの位置を原曲から少しずらすのもあり。

それでは、実際に作ってみましょう!

ソロギターを作ってみよう!

やったるでぇ!

使用する曲、悩みました。

いろいろ考えた結果BGMに決定。テレビアニメ「けいおん!」の劇中で流れたBGMかつ、メロディラインがあるものを探し・・

いい夢見てね
に決定!ワクワク。

実は最初、有名なBGM『Have some tea?』で作り始めたんです。けど途中で、「あかん。メロディばっかでベース入らへん!」と気が付き、泣く泣く『いい夢見てね』に変更。

悲しみと共に、勿体ないので”出だしの16小節だけ”載せておきます。笑

面白いメロディなんですけどね・・。

BGMゲーム音楽って、基本的にコード・トーンが多いんです。突飛な音が少ないので、変に意識することなく聴いていて安心します。つまり、”はじめてのソロギター”にもってこい!

と言いつつ、1曲目は失敗。

『いい夢見てね』タブ譜あり

いい夢見てね
(作曲:百石元)

私は手元のCD音源を参考に作りましたが、YouTubeで見つけた素晴らしい演奏も載せておきます。

(動画:yukipatricさん)

手順通りに作っていきます。

①キーを確認する

KeyはEです。

【E メジャー・スケール】をギター指板上で!
【Eメジャー・スケール】の構成音は[E,F#,G#,A,B,C#,D#]。ギター指板(フレットボード,フィンガーボード)上での音程、音名、階名、数字を紹介します。練習や確認に利用してください。選択肢から『スケール一覧』へジャンプします。

途中で一瞬、転調してます。
Gのような雰囲気・・違うかも。
皆さんの耳を信じてください。笑

②ダイアトニック・コードとコード・トーンを書き出す

ローマ数字で三和音のダイアトニックコードを書き出します。

ダイアトニック・コード

「Ⅰ Ⅱm Ⅲm Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅶm-5」

見やすくするために、一部を四和音に変更して

「Ⅰ△ Ⅱm Ⅲm Ⅳ△ Ⅴ7 Ⅵm Ⅶm-5」

(私が)見やすくするため、Ⅴだけ四和音にしました。

KeyEなので、Eメジャー・スケールの音も書き出します。

「E F# G# A B C# D#」

そして、さっきのローマ数字と合わせて・・

「E△ F#m G#m A△ B7 C#m D#m-5」

完成!

コード・トーン

次はコードトーン。

1つ飛ばしで見ていけば良いので、めちゃ簡単。E△なら「E, G#, B」、つまり「ド、ミ、ソ」です。
まとめると

Ⅰ△ / E△(E, G#, B)
Ⅱm / F#m(F#, A, C#)
Ⅲm / G#m(G#, B, D#)
Ⅳ△ / A△(A, C#, E)
Ⅴ7 / B7(B, D#, F#, A)
Ⅵm / C#m(C#, E, G#)
Ⅶm-5 / D#m-5(D#, F#, A)

③メロディを”とりあえず”タブ譜に書く

タブ譜を用意してください。

・1~3弦以内で書く
・開放弦に近い方が良し(5フレット以内に収めたいですが、あまり気にせず)

の2つを意識しつつ、メロディをタブ譜に書きます。
それではどうぞ!

いかがでしょう?
私は、こんな感じになりました↓

3/4拍子なんですね。

④小節の1拍目にベース音を足す

ソロギターの骨組み作り。

1拍目に、ベース音を足していきます。
しっくりくる音を入れたいですね。

ベース音と一緒に弾きにくいメロディがあれば、修正してもいいですし、⑤の段階でまとめて修正しても大丈夫。
それではどうぞ!

いかがでしょう?
私はこんな感じになりました↓

少しだけ、1拍目以外にも入れてみました。コード譜がネット検索で引っかからなかったので、勝手に付けました。しっくりこないコードは、修正してください。

一応、コードチェンジはできるだけ少なくダイアトニック・コードを使うよう心がけました。

注目してほしいのは、ベース音の入れ方。

ご覧の通り、”メロディとベース音を一緒に弾く”ことなど、一切考えていません。私は、最後に修正・調整する派なので、面倒くさいことは最後に残しておきます。

⑤好きな音で埋めていく・・完成!

完成目前。

”ベース音”と”メロディ”の間に、音を足していきます。コードなんか関係無しに足すのもいいですし、コード・トーンを足すのもあり。コードを考えないほうが、テンションぽい音を選べて、オシャレになるかもしれません。

必ずしもベースとメロディの”間”でなくて良いですし、ここで大きな修正を加えても問題なし。「さっき書いたベース音とメロディは、ただの足場だ!」くらいの気持ちで。

間違いに気づいた場合も、ここで修正。
それではどうぞ!

いかがでしょう?
私は、こんな感じになりました↓

ソロギター完成音源と解説

↓無料ソフトMuseScoreで音源出力しました。

ちょっと、無難に作りすぎた感ありますね。
あと、無料ソフトのアコギ音源、若干チェンバロっぽいですね。

私は普段、ほとんどコードを取らずに作るので、良い意味でも悪い意味でもオリジナリティが出ます。今回は良い意味でも悪い意味でも、綺麗に収まりました。笑

原曲に合わせた箇所

少し説明します。

1~4小節

低いフレットで弾いても良かったのですが、原曲に合わせて高音で弾きました。

5~16小節

16小節までは、”ほぼ完コピ”です。開放弦らへんで弾くよう心がけ、できるだけ楽曲の通りに再現しました。

メロディを間違えていた箇所、ベース音の位置や音も少し修正。ピアノの曲でも、音数が少なければ意外と再現できるもんです。

コードを押さえながら

17~20小節

ここからはオリジナル。「コード・トーンだけでも、いい感じになる!」ことを証明するため、コードを押さえながら弾けるよう作りました。結果、ソロギターなのに”ほぼバレーフォーム”に。開放弦に近いほうが響きが・・は無視(笑)

メロディとベース音を同時に

21~24小節

23小節のように、メロディとベース音を一対一で対応させても、面白いです。

開放弦を鳴らし続ける

 

25~28小節

25小節は、メロディぎっしりでベース音を押さえづらいので、開放弦を使いました。鳴らしっぱなしです。

ハイフレットで盛り上げる

29~32小節

低いポジションに飽きたので、高いフレットで。クライマックス感が少し出ます。

ローフレットで落ち着かせる

33~40小節

一度盛り上がった雰囲気を、盛り下げます。『いい夢見てね』という気持ちを込め、ぐっすり寝れるように低いフレットを。笑

ラスト

41~45小節
”最後”っぽく、高いポジションで。

以上!
いかがでしょう?

予想通り、見事に”コード・トーンがしっくりくる曲”でした。分析するつもりはないですが、たぶん原曲もコード・トーンだらけでしょう。

今回は変なテクニックを入れなかったので、原曲の雰囲気のまま作れたかと思います。

こんな感じで「メロディ」「ベース音」「コード・トーン」を基盤に、”オリジナリティ”を加えていけば、とりあえずのソロギターは作れます。あとは、音楽の自由な世界が広がっていますので、それぞれ納得のいくように。

以上です。
ありがとうございました。

コメント

  1. ニシダ・エニシダ より:

    参考にして、私の好きな曲をソロギターにしたいと思います。
    ありがとうございました!

タイトルとURLをコピーしました