前回の「キーとは?」に続いて、いよいよキー探しです。
耳コピやアドリブにおいて、必要となるキー。実は、誰でも簡単に耳だけで調べることができるんです。楽譜はいりません。早い人なら、ほんの数秒です。
楽しいですよ(ワクワク)。
「キーってどうやって探すの?」
それは、階名を使います!
※階名は「ドレミファソラシ」のこと。詳しくは↓で説明しています。
そして、キーの中心音に合わせて、主音ドをあちこちに移動させます。
※主音ドについては↓で説明しています。
では、いったい階名をどう使うのか?
ずばり!「ドがしっくりくるポジション」を探します。
「おぉー!・・・おっ?」
↓は
基本となる「ドレミファソラシ」。
※ギター以外の方は、それぞれの楽器に置き換えてください。
今は、まだキーが何かわからないので、フレット数は空白。このポジションが指板のどこに(何フレットに)当てはまるのか?を探します。
終止感を使ったキーの調べ方!
キーは、曲を流しながら探します。その時、意識してほしいのが終止感。
その終止感を使い「主音ドが落ち着く位置」を探します。
「落ち着くってなんやねん?」
終止感があるということです。
「終止感てなんやねん!」
落ち着く位置です。笑
終止感とは?
終止とは
終止(しゅうし)とは、音楽用語で、音楽の段落の終わりのことである。
終止 – Wikipediaより
終止とは、段落の終わりのことなんですね(はじめて知った)・・終止符か。
終止感を感じる音というのは
「あー、今の音で段落が終わったなー」
もっと言うと、
「あー、今の音でサビや曲が終わったなー。やっぱ安定した音だわー。」
と感じる音。(説明下手)
「ド」に落ち着く
例を見てみましょう。
「ドレミファソーラファ ミッレッドー」
唐突ですが、弾いてみてください。どのキーで弾いても構いません。KeyCで弾く場合は、3弦5フレット=Cに主音ドを重ねて。それではどうぞ。
・・・
「何か聴いたことあるフレーズだ!あれは確か・・ヤマh」
それでは、次は最後の音を変化させて、どうぞ。
「ドレミファソーラファ ミッレッミー」
「ドレミファソーラファ ミッレッファー」
「ドレミファソーラファ ミッレッソー」
「ドレミファソーラファ ミッレッラー」
「ドレミファソーラファ ミッレッシー」
そしてもう一度
「ドレミファソーラファ ミッレッドー」
いかがでしょう?
終止感。つまり
「あーフレーズ(曲)が終わったなー」
と感じるのは、やはり最後がドのときですよね。
ミーやソーも違和感はありませんし、実際の曲でもミーやソー、それ以外の音で終わるパターンは山ほどあります。ですが「今、曲が(もしくはサビ、フレーズ)が終わったな。落ち着いたね。解決したよ」と一番感じる音は、やはりド。
「ドで落ち着いた感じなんか全然しねぇ!」
という方も、いるかもしれません。音の感じ方は人それぞれ。しかし、その場合は残念ながら、今回紹介する”耳と終止感でキーを探す”方法は使えません。
スケールの構成音やコード進行、譜面からKeyを探す方法がおすすめです↓
キーの考え方そのものが
中心音(落ち着く音)に主音ドを移動させている
ので、ドで落ち着いて当たり前なんです。
例えばさっきのヤマハのフレーズだと、原曲を聴いたことがなければキーはわかりません。しかし、Keyがわからなくとも、階名で弾くことはできます。
「Keyの中心音=落ち着く音=C=ド」で、Key=C
「Keyの中心音=落ち着く音=G♭=ド」で、Key=G♭
ドはKeyの中心音なので、ドを見つけることができれば、その曲が何のKeyかわかる!ということです。長くなりました。実際に、キーを探してみましょう!
耳で探すメジャーキー!
終止感を感じる音を探すのですが、ちょっとしたコツと注意点があります。
キー探しのコツと注意点
①ドと響きが似ている音(ソなど)に注意。
②マイナーキーの主音はラなので注意。
③半音はファとシの2つだけなので、半音前後で合うか確かめる。
以上。
③だけ説明します。
メジャースケールにおける半音は、ファとシの2つだけ。それを利用しない手はありません。
たとえば「ここがドだ!」と思ったら半音下を弾いてみます。その音がしっくりきた場合、今弾いた音は”ドシ”、または”ファミ”の、どちらかのはず。
しかし!ファは半音で終止感がないので間違えにくい。となると、今弾いた音はドである可能性が高い。もし半音下の音がしっくりこなければ、「これはメジャースケールの音ではないな!」と考えて良し。例えば、ソの半音下はソ♭で、メジャースケールの構成音から外れています。
ドかな?と思ったら半音下を弾いてみて、シがちゃんと存在するポジションを探します。最後に「ドレミファソラシド」を全て弾いてみて、しっくりきたら完璧。
※もちろん、スケールの種類はメジャー/(ナチュラル)マイナーの2種類だけではないのですが、とりあえずメジャーかマイナーでキーを取って構いません。たとえ「ファ#」がスケール構成音だったとしても、「ド」を決めないことには、はじまりません。ちなみに、狭い意味でのキー(調)は、長調と短調の2種類とされています。ただ・・いや、詳しくは検索を。
慣れてきたらとりあえず一音を弾いてみて、「ドレミファソラシ」のどれかの音だ!と思ったら、そこから、半音上や下、全音上や下を弾いて、パパッと主音ドを見つけてみましょう。
階名での、半音、全音など関係↓
ドを見つけたら、その音がKeyの中心音なので、音名を調べます。それが、その曲のKeyです。
指板上の音
さて、指板の音名配置をまだ説明していなかったので、下の画像を参考にしてください。
全部書くのは疲れるので、1弦と3弦だけ書きました。
#や♭は、もう、脳内で補完してくだ
ウソです☆
『天体観測』のキーを探す
前回も使用したBUMP OF CHICKENの『天体観測』で、Keyを探してみましょう。
※前回のKeyを覚えている方は・・忘れてください。笑
終止感を感じる音を探すので
曲やフレーズを終わらせる気持ちで。
それではどうぞ。
私はD♭に終止感を感じたので、D♭に主音ドをセットします。
完成!
中心音はD♭なので、KeyはD♭です。
(正確にはD♭メジャーキーですが、省略します)
一瞬で見つける
ちなみに、何秒かかりましたか?
・・・
ふむふむ、なかなかですねー。
「わからなかったよー!」
という方、心配ありません。まだ1曲目ですから。
一緒にドを探してみましょう。
YouTubeでは、動画の左下に再生時間が表示されています。曲を最初から再生して、再生時間10秒の所で止めてみてください。そこで、今見つけたド(D♭)を鳴らしてください。
・・・
いかがでしょう。終止感は感じられましたか?
また再生して、13秒の所で止めてド(D♭)をポロン(止めなくても良いです)。
次は19秒。
次は33秒。
次は44秒。
1分08秒、1分14秒、1分33秒、
秒数は、私の感覚でなんとなく終止感を感じやすそうな箇所を書きました。
ボーカルのメロディがドでシンクロする位置もありますが、それは重要ではありません。コードも特別意識していません。とにかく全力で、終止感を感じる音を探すのです。
半音下から
それでは!
次は曲を流しながら、どこでも(何秒でも)いいのでシ(1弦8フレットか3弦5フレット)を弾いてみてください。そして「なんか惜しい!」と感じたらすぐに半音上のドを弾いてください。
シードーです。
他には
ラから始めて「ラシドー」
ソから始めて「ソラシドー」「ソファミレドー」
ファから始めて「ファミレドー」
ミから始めて「ミレドー」
レから初めて「レドー」
3音以上弾く場合は、1本の弦だけを使って探すと、視覚的に「全全半全全全半」が見えやすくなります。そして、「これがドっぽいぞ!」と感じたら、一度「ドレミファソラシド」と弾いてみます。
キーが見つからないとき
もし「なんか音が外れてるなー」と感じる音があれば、
①Keyが間違っている
②マイナーキー
③メジャーとマイナーでは判断しづらい。
のどれかでしょう。
①ならば、もう一度探し直し。
②ならば、今の方法ではいつまで探しても見つかりません。後のページで説明します。
③については、現時点ではあきらめましょう。笑
以前、テレビで映画を観ながら(手持ち無沙汰でギター練習も兼ねて)耳コピしていたとき、シリアスなシーンで「ディミニッシュスケール」が使われていました。メジャー/マイナーの知識だけだと「ディミニッシュスケール」を見つける難度は高いです。
ただ、先にも書いたように、部分的な転調、似たようなスケール構成なら、メジャー/マイナーの2パターンでとりあずキーを取って問題ないでしょう。
それでは、もう一度
「ドレミファソラシド(ドシラソファミレド)」
を『天体観測』で弾いてみてください。
・・・
いかがでしょう?
ピッタリ合ってる感じがしましたか?
それでは、逆に!ピッタリ合ってない感じを体感するために、今のポジションより半音下にずらして、KeyCで「ドレミファソラシド」を弾いてみてください。
曲を流しながら、どうぞ。
・・・
いかがでしょう。
このずれてる感じ。
実はこのずれている感じを利用してアウトフレーズ・・話がずれるのでやめます。
『Dragon Night』のキーを探す
ドラゲナイいきましょう。
ドラゲナイとは、SEKAI NO OWARIの楽曲『Dragon Night』の空耳である。
ドラゲナイとは (ドラゲナイとは) [単語記事] – ニコニコ大百科より
SEKAI NO OWARIより
『Dragon Night』
(作詞:Fukase / 作曲:Fukase / 唄:SEKAI NO OWARI)
それではどうぞ。
・・・
いかがでしょう?
転調もないと思います。
Keyを見つけられなかった方は、最初から再生して7秒で止める。そこで主音ド(B♭)を鳴らしてみてください。
次は12秒
次は39秒
次は54秒
何曲かキーを探しているうちに、感覚がつかめてきます。
キーが取れない曲!
ちなみに、ポピュラー音楽以外、特に”複雑なことやりたい系”の曲の中には、調性感が薄い曲も当然あります。
こういった分け方をすると「ポピュラー音楽は幼稚」だとか、逆に「複雑な曲は自己満。心に響かない」といった、排他的で二者択一的な話になりがち。そのバトルを、傍から眺めてニヤニヤするのは好きです。笑
ただ、特定のジャンルしか聴かないのは、単純にもったいない。嫌い(苦手)な曲は、「嫌い(苦手)だなー。嫌いな所100個探してやる」と意識して聴くと、意外と面白い発見があるものです。逆に「好きな曲の、好きな所30個探すぞ」と頑張っても、納得いく結果が得られないことも。
次回は、アニソンのキーと転調を探してみます。
ありがとうございました。
次回は>耳でKeyを探そう!(転調)
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