「キー(key)」とは何でしょうか?
カラオケでいじる、あの「キー」です。
耳コピやアドリブをする前に調べる、キー。実は、楽譜無しでキーを調べることができます。耳を使って、誰でも一瞬(早い人なら数秒程度)で解読可能。
※簡単なキーの調べ方、私おすすめの方法は次回紹介します。今回はキーの説明です。
曲(音楽)のキーとは?
Key(キー)とは
ある曲が特定の音階に基づくことを調といいます(厳密には正しくない定義ですが、ここではそのように考えていいでしょう)。
調 (音楽) – Wikibooks
キーとメロディの関係
たとえばカラオケで、Cメジャー・キー(ハ長調)の曲を歌うとします。メジャーキー(長調)の並びは「ドレミファソラシ」。ピアノで見ると↓
こうなります。音楽の授業で習った通り、主音ドから「全全半全全全半」の間隔。こんな感じ↓
そして、音には「ドレミファソラシ」などの階名の他に、「CDEFGAB」や「ハニホヘトイロ」などの音名という考え方があります。
※詳しくは↓で説明しています。
Cメジャースケールを音名で見ると↓
語弊を恐れずに言うと、”メジャーキーの曲”であれば、メロディの音は、ほぼ全て「ドレミファソラシ」の音でできています。
試しに邦楽ヒット曲の、楽譜のメロディーパートを見てください。転調が無い場合、音符の横に「#」や「♭」が付く頻度は、かなり少ないはず。キーってそういうことなんです。
「キーをいじる」ということ
それでは!
KeyCの曲を歌っている最中、友人が勝手にカラオケの「キー」をいじって、keyGに変えられたとします。
※細かく言うとCメジャーキーから半音7個分音程を上げて(もしくは半音5個分下げて)、Gメジャーキーへの転調です。
keyGを「ドレミファソラシ」で見ると↓
メジャースケールなので、主音ドから「全全半全全全半」の間隔。
音名だと↓
KeyC→keyGへキーが変わったので、「C=ド」→「G=ド」へ、音の並び(全全半全全全半)を変えずにそのままスライド(平行移動)させます。カラオケのキーをいじると、この作業を機械が勝手にしてくれるのです。
とまあ、少し面倒くさい話をしましたが、習うより慣れろです。実際に「キー」を体感してみましょう。
キーを体感してみよう!
実際に弾いてみましょう。
うーん、それじゃあこの曲!
BUMP OF CHICKENの『天体観測』
(作詞:藤原基央 / 作曲:藤原基央 / 唄: BUMP OF CHICKEN)
私も大好きなバンド。ライブも最高でした。
そして、とうとうバンプから「ライブ映像」が!
※しばらくバンプの話が続きます。興味の無い方は飛ばしてください
ここ最近のバンプ曲では『ゼロ』が好きです。
アコギも引っ張り出して、弾きに弾きました。
PSPのゲーム「FF零式」のテーマ曲です。
バンプがゲームやアニメとコラボすると、何故あんなに良い曲ができるのか。
もちろん、メンバーがFFシリーズ大好きということもあるのでしょうが、メロディから歌詞からFFの終末観にピッタリ。ライブの最初に出てくる映像にFF10の「シンっぽいやつ」も出てました。機材トラックにもドット絵描いてましたし、オタクですね。
ライブ映像にはアコースティック演奏も収録されていましたが、バンプはアコースティックが本当に合います。あれ、原曲アコースティックだったっけ?てくらい。
私がアコギを買って、初めてコピーした曲が『スノースマイル』でした。ギターを買ったばかりで耳コピなんかできるはずもなく、バンドピースを買ったか、友達から借りたかは忘れましたが・・初めて弾いたときの、美しい旋律。
「アコギのアルペジオって、こんなにきれいなんだ」
感動しながら、毎日少しずつ弾ける小節が増えていって・・。
バンプ語りここまで。
天体観測
『天体観測』のKeyはD♭です。
※耳で取っているので、おそらく。
それでは、弾くポジションを確認してください↓
※ギター以外の方はそれぞれの楽器に合わせて。
KeyD♭のポジション例↓
それでは以前のアドリブ練習↓と同じように
内から溢れだすメロディに身をゆだねて、「ドレミファソラシ」を存分に弾き倒してください。
・・と、その前に!
今回は、フレーズを1つ紹介します。
「ッミファミソー ッミファミソー ドレドー
ッミファミソー ッミファソドー ミファミー」(※”ッ”は八分休符)
ドレドーとミファミーは高い方(1弦側)。
ダイアグラム(↑の表)には書かれていない高音を使いますが、耳でさぐってください。笑
楽譜で書けよと、自分でも思いましたがめんどくs。弾けばわかります。それではどうぞ。
・・・
いかがでしょうか?
バンプ懐かしい。
カバーver.で移調を体感
忘れてません、今回の本題「キー」。
キーを理解する為に、今度は同じ曲のカバーバージョンを弾いてみましょう。
Keyが変わって、G♭です。
原曲(keyD♭)より完全5度下(完全4度上)keyD♭からkeyG♭への移調。
移調(いちょう)とは音楽の用語で楽曲の調の主音を移行して演奏することである。
移調 – Wikipediaより
キーが変わったので、押さえる位置(フレット)も変わります。
ギターの場合はこう↓
それではどうぞ。
Goose house ver.Goose houseによるカバーでした。
交互に一時停止しながら聴いてみると、よりキーの違いを感じます。
キーについて詳しく①
ここで、最初のWikibooksの説明にあった
「ある曲が特定の音階に基づくことを調(Key)といいます」
を、整理しておきましょう。
・ある曲=天体観測
・特定の音階=バンプはD♭メジャースケール。
Goose houseのカバーはG♭メジャースケール。
と直して、ちょこっといじると
「天体観測(バンプver)は、D♭メジャースケールに基づくので、KeyはD♭メジャーです」
余計にややこしい。
基づくというのは「『天体観測』の大部分はD♭メジャースケールの構成音(D♭、E♭、F、G♭、A♭、B♭、C)でできている」ということ。これがKeyの考え方です。
「んー、わかりにくいし、構成音なんてわからない!」
大丈夫です。構成音を調べる以外にも、Keyを判別する方法があります!
それが
Keyの中心音(KeyD♭ならD♭)=終止感を探す!
というもの。後のページで練習します。
キーについて詳しく②
もう少しだけ、キーについての定義を見てみましょう。次はWikipedia。
調(ちょう、key)は音楽用語の一つ。
メロディーや和音が、中心音(tonal centre)と関連付けられつつ構成されているとき、その音楽は調性(tonality)があるという。伝統的な西洋音楽において、調性のある音組織を調と呼ぶ。
調 – Wikipedia
wikiの定義も、天体観測に当てはめてみると
「『天体観測』のメロディや和音が、中心音(D♭)と関連付け・構成されるとき(中略)音組織(D♭メジャースケール)を調(Key)と呼ぶ」
いかがでしょう?
合ってますか?
KeyCメジャーなら「C」が中心音。KeyCの曲中で中心音Cを鳴らすと「終止感」が感じられます。「移動ド」の場合は「C=ド」。
つまり
C=Keyの中心音
=移動ドの場合のド(主音ド)
=終止感を感じる音
です。
ようするにキーは、
中心音を見つけりゃ勝ち
なんです。だって、それがKeyですから。
ただし、その音階がメジャースケールかマイナースケールかの判断は、プラスαの知識が必要。
それでは最後に転調を簡単に説明します。
転調とは?
転調とはなんでしょうか?
簡単です。
カラオケで何か曲を入れてください。
あなたの番が来ました。さあ、歌ってください!
では、曲の途中ですがキーを変えます!(ピッ!)
これが転調です。
ちょっと、説明不足な気もするので、wiki先生より
転調(てんちょう)とは曲中で調を全く違う調に移しかえること
転調 – Wikipediaより
カラオケの途中でキーを変えると、曲の雰囲気がガラッと変わる転調があります。一方で、「あれ?そんなに雰囲気変わらない?良い感じじゃん」というような転調も。転調にも秘密がありそうです。
次回は「キーを探す楽しさ」を体験してみましょう!
ありがとうございました。
コメント
キーとメロディの関係の章のところドラミファソラシになってね?
修正しました。ご指摘ありがとうございます!