前回「リズムを意識したアドリブ練習」に引き続き、今回は音を意識したアドリブです。「ドレミファソラシ」をバンバン弾きます!
アドリブ練習!
1.【ド・ソ】でアドリブ
今回、意識するのは音の響き。
ドとソの2音からはじめます。
指板のポジションは↓(※ギター以外の方は、各楽器のC(ハ)とG(ト)を)。
①1音ずつ弾く。
②ドとソの2音を同時に弾く。
③何も弾かない。
の3パターンの弾き方が可能。
そして! 今回の練習の目的は音。
・ドとソの響きの違い
・ドとソを同時に弾いた時の響き
・ドとソがメロディと溶け合う箇所
・ドとソがメロディと溶け合わない箇所
・ドとソを長く伸ばすと気持ちいいor不自然な箇所
など、意識する点はたくさんあります。
やっている内に発見することもあるので、「なんや、音意識してみよかぁ」と、楽な気持ちで練習してみてください。前回説明した”目的以外は単純に”も忘れずに。音以外にあたるリズムは簡単にして(変に意識しないで)ください。
曲は前回と同じ、WANDSの『世界が終るまでは…』。
KeyはC。それではどうぞ。
※↓YouTubeリンク
『世界が終るまでは…』
いかがでしょうか?
ドもソの音も、適当に弾いているのにしっくりきませんか?
もちろん「この部分では、もうちょっと暗い音が欲しい!」「ドミナント的な響きが欲しい!」と感じた方もいるかもしれません。
とにかく今は
・6~4弦の弦は全て切れてしまった。
・左手は何故かドとソしか押さえられない。
・それでも何とかして、良い感じに演奏したい!
という、もしもの状況を想定して・・
「ドとソの響きがどうしても合わない!」と感じる箇所には 「休符を入れて、弾かないぞ!」と徹底して、ドとソを使い倒してください。
さて、同時に2音弾いた時の響きはどうでしたか。ドとソの2音は心地よく響いたでしょうか。また、「音を伸ばすと、なんか気持ちいいー!」箇所もあったと思います。
・歌パート(メロディ)が音を伸ばしている箇所
・ギターフレーズ終わりの余韻の部分
・サビの終わりの部分
・歌詞の出だしの部分
・歌詞(1フレーズ)の終わりの部分
あたりが気持ち良い。歌のメロディを拾ってみるとわかりますが、ドやソをフレーズの終わりで使うパターンは、めちゃくちゃ多いです。
2.【ド・ミ・ソ】でアドリブ
音を増やします。 足す音はミ。
ドとソと合わせて、 使える音はドミソの3音です。
今度は、ミとソ、ドミソを同時に弾くために低音のソも追加ました。
①一音ずつ弾く。
②”ドとミ”、”ミとソ”、”ドとソ”、”ドミソ”を同時に弾く。
③何も弾かない。
などが考えられます。
それでは、WANDS『世界が終るまでは…』に合わせてどうぞ。
・・・
ミの響きはどうでしょう?
「ボーカルパートとシンクロした!」
「ドーのシンクロ率高過ぎぃ!」
なんて人もいますよね。
2音や3音を同時に弾いたときの響き、響き方の違い。 言葉で表すのは難しいですね。
ただ曲のコピーをしているだけでは気が付かなかったことが、どんどん見えてきます。
3.【ド・レ・ミ・ソ・ラ】でアドリブ
レとラを足して、ドレミソラの5音。
この5音だけで、メロディが作られている曲も。
たとえば・・『男はつらいよ』のテーマ曲とか(古いですね)。
昔、テレビに合わせて耳コピしてて気がつきました。
映画自体大好きで、特にシリーズの最初の方(初代おいちゃんあたり)はたまりません。また寅さんの妹、さくら役の倍賞千恵子さんの演技も最高で・・妹に欲しい。童謡も、この5音でできている曲が多いと、よく理論書に書かれています。
さて今回はルールを一つ追加して、
”2音や3音を同時に弾くのは無し”
で、いきましょう。
別に弾いてもいいんですけど、音数が多いので全パターン試そうと思うとポジションを広げないと・・うーん、面倒くさい。笑
今回は、このポジション内でお願いします。
①単音で弾く。
②何も弾かない。
それではどうぞ。
・・・
いかがでしょうか?
「アドリブしてるぜ!」感が増しました。
レとラがしっくりくる箇所。メロディとのシンクロ率。
今弾いた音。これがメジャー・ペンタトニック・スケールです。正確に言うとCメジャー・ペンタトニック・スケール。スケールに関しては後のページで説明します。「ふーん。ペンタねー」と思っておいてください。
ちなみに、ペンタ(penta)はギリシャ数字で数字の5を表すそう。英語で「五角形」は「pentagon」。ペンタトニックスケールは「ド・レ・ミ・ソ・ラ」の5音。
ちなみにちなみに、ギリシャ語源で数字の8は”octa”。そう、「オクターブ(octave)」です。
①ド②レ③ミ④ファ⑤ソ⑥ラ⑦シ⑧ド
の8音。
ちなみにちなみにちなみに、
・アイオニアン・スケール
・ドリアン・スケール
・リディアン・スケール
・ミクソリティアン・スケール
・エオリアン・スケール
・ロクリアン・スケール
というスケール(モード)。これらは「古代ギリシア地方」の地名が由来らしいです。ポリスがどうだー、アテネがー、スパルタがー、とか習ったあの地域。・・おもしろい。
4.【ド・ファ・シ】でアドリブ
次はファとシを足して、 レミラを抜いて、ドファシだけです。
それではどうぞ。
・・・
いかがでしょう?
「なんか合わない!」
「早くやめたい・・」
そうでしょう。笑
5.【ド・ミ・ファ・シ】でアドリブ(1)
それでは次はミを足して、
ドミファシだけ。
それではどうぞ。
・・・
いかがでしょうか?
「んー、さっきのドミソやメジャーペンタよりは、使い方が難しいなぁ」
特にファがくせ者。使い方が難しい理由の一つは半音だということ。ざっくり言えば、コードトーン(ミ)と半音(短9度or短2度)でよくぶつかる(アボイド)ということです。
そして、しっくりこないもう一つの理由。それは、ファとシの音程がトライトーン(増四度)だということ。これも、後のページで説明します。
「半音とかトライトーンとか言ってるけど、ファもシも普通に弾けたけど?」
・・・さすがです。
6.【ド・ミ・ファ・シ】でアドリブ(2)
それでは、もう一度ドミファシを弾いてください。
「もう、曲が耳にこびりついてしまったよー。もう歌えるし。」
素晴らしい!もう余裕でメロディの耳コピができる状態です。
さて、さっきと使う音は同じですが、今回は
・ファを弾いたらミにひとまず落ち着く
・シを弾いたらドにひとまず落ち着く
・できる人はハンマリング&プリングオフを使って落ち着く
弾き方でお願いします。ハンマリングやプリングオフを知らない方は、無視してください。
ここで言う”落ち着く”というのは ”ファやシの音に長くとどまらずに、すぐにミやドに移る”ということ。とりあえず、フレーズをミかドで終わってみてください。
それではどうぞ。
・・・
いかがでしょうか?
「ファもシも意外と使えるじゃないか!」
と思った方、そうでなかった方 、どちらも正しいです。たださっきよりは、ファとシの違和感が減ったのではないでしょうか。
7.【ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ】でアドリブ
いよいよラスト。
ドレミファソラシいきましょう!
それではどうぞ。
・・・
いかがでしょうか?
今、あなたは確かに・・アドリブをしていました。
何度でも弾いてください。
今弾いた”ドレミファソラシ”が
メジャースケールです。
縛りプレイが上達への道!
「縛りのある遊び」が、音楽・楽器の上達にとってプラスになると私は思っています。つまり、「さあ、このギターを使って好きに遊べ!」ではなく、「音を5音に絞って遊んでみよう!」がベター。
日本人の文化的にも「引き算」が好まれます。俳句は五・七・五ですし、ファミコン音楽も(容量の関係もあり)音数が少ない。「縛る」ということは「あるもので何とかする」。「わび・さび」的なモノにも繋がる?
そして、足りないものは妄想でおぎな・・。
遊びの土台として、アドリブを取り入れてみてください。
次回は、実践で役立つ音楽理論の世界に。
ありがとうございました。
次回は>音名と階名!
コメント
コメント失礼しますm(__)m
自分はギター初めて触った歴からいうと30年以上になるおっさんですが、たまに弾いてはいるもののほぼ初心者でスケールやコードについて理解したくて色々探してたらここにたどり着きました。
色んなブログを拝見しましたが、トミーさんの初心者へのアプローチがいきなりアドリブからというのが他にはなく斬新でとても面白いです(^^)d
昔は教則本などを色々買って勉強しようと思い10ページも読むと
「ピッキングの角度は~」
「左手を強化するには~」
など徹夜明けの嫁の小言ばりに頭に入ってこず本棚の肥やしと化してましたが自分が中学の時にこのブログに出会えれば偉大なギタリストになっていたでしょううそですすみません
ただ改めておっさんがギターをまた1から見直すにはとても良いきっかけになりましたのでこれからも参考にさせていただきますm(__)m
( ̄∇ ̄)b