曲にコードを付ける。
難しく考えてはいけません。
気持ちよく響けば、それでいいのです。
コードの付け方!
耳で曲にコードを付けるだけなら、特に知識はいりません。
知識優先でコードを付けるとなると少し難しくなるので、今回はできるだけ耳で既存の曲にコードを付けていきましょう。
まず「コードはすごい。奥が深い!」というイメージを持っている方は、一度忘れてください。「合唱やクラシックみたいにメロディをいくつも重ねて伴奏作るわけじゃないし、コード(記号)でしょ、簡単じゃん!」くらい楽に捉えてみましょう。
私が中学生のときにやっていた方法を紹介します。
①ベース音を決める(もしくはトップノート)
②ベース音に合うトップノートを決める
③残りの音を足す
以上。
知識が増えてくると考え方の幅が広がり、付けるコードの選択肢が増えてきます。ただ、結局は”音の響き”ですから。
大切なのは、耳です。
①ベース音を決める(もしくはトップノート)
まずは、ベース音から。
オーソドックスな方法でしょう。
作業手順はシンプル。
・1小節ごとに区切って、ベース音を歌ってみる。
・しっくりくるベース音を、ギターで弾く。
八分か四分音符でベース音を弾くと、良い感じに聴こえます。
・しっくりくるパターンを、紙などにメモする。(複数可)
以上!
ベース音ではなく、トップノート(最高音)を基準にするのもありです。低い音より高い音の方が聴き取りやすいので、試してみてください。
②ベース音に合うトップノートを決める
ベース音が決まれば、次は高音。
手順は、
・1小節伸ばしてしっくりくる音を、メロディから一つ選ぶ。
1小節、もしくは半小節伸ばして自然な音を、歌のメロディからみつけます。ベースと同じ要領。
・しっくりくる音がメロディに無ければ、自分で高音を足す。
すぐ慣れます。思い浮かばないときは、一度楽器を置いて「私は今、ハモリパートを考えているんだ」と切り替えてください。コーラスになったつもりで、歌のメロディに対して1音で(1小節伸ばしても良い感じの音で)ハモってみます。
おそらくそれがコード・トーンです。既にベース音で使っているなら、違う音をイメージ。
・今選んだ音とベース音を、同時に鳴らす。
ベース音と選んだ高音を、同時に鳴らします。2音の相性がよく、その小節(もしくは2拍)にハマれば、ほぼコード確定。
しっくりこない場合、まずはベース音とトップノートを逆にして弾いてみてください。それでダメなら、どちらかの音をチェンジ。
③残りの音を足す
2音(ベース音と高音)を決めました。
三和音を作りたいので、残りは1音。
手順は、
・耳で残りの1音を探る。
これも簡単にできます。キーを探すときと同じで、慣れるとパパッとコードを作れるように。ポイントは、ギターで弾く前に一度脳内で鳴らしてみる(音をイメージする)こと。
・しっくりこない場合は、今までのコードの知識をフル活用。
ベース音に対して3度の音、5度の音を入れてみる。トップノート側からも3度で確かめてみてる。ダイアトニック・コードや、メジャー、マイナーコードの知識を駆使すると早いです。
例えば、ある小節でしっくりくるベース音が「C」だとします。しっくりくるトップノートが「G」だとすれば、まず「Cメジャー・トライアド」か「Cマイナー・トライアド」を考えるでしょう。
「M3(長3度)」の「E」か、「m3(短3度)」の「E♭」を足してみて、それでダメなら、今度はトップ・ノートをルートとして考えます。しっくりこなければ、もう一度①から、やり直してみるのもありです。
ただ、ダイアトニック・コードを知っていれば、keyから「Ⅰ、Ⅱm、Ⅲm、Ⅳ、Ⅴ、Ⅵm、Ⅶm-5」のコードがわかるので、イージーゲームです。
それでもしっくりこない場合、ダイアトニック外の音である可能性が高い。2音はそのままで、ダイアトニック外(ドレミファソラシ以外)の音を入れてみてください。
「前の小節と同じコードを使いたいけど、少し変化は付けたい」場合は、コードトーンの1音だけ変える(代理コードを使う)と良い感じになるかもしれません。
理論を少し使うコードの付け方(おすすめ)
音楽理論を使った、おすすめのコード付け。
私のお気に入りは「2音で考える」方法。
ギターでも可能ですが、できれば鍵盤を用意してください。生ピアノよりキーボードで、減衰しない音色を使います。
右手でメロディを弾き、左手で2音押さえて響きを確かめます。2音決まれば、知識(音楽理論)でもう1音足すのは容易です。「足さない方が良い」ことに気がつけるのもメリットの一つ。
特にコード譜を使用したギター弾き語りを専門にやってきた方は、「音(コードトーン)をむやみに動かさない方が、カッコイイかも!」など発見があるかもしれません。
2音あると、片方を固定してもう片方を半音や全音で動かしたり、コードトーンとテンションの組み合わせや、4度音程のコードなど色々できます。
3音になると(鍵盤を弾けない私は)ごちゃごちゃしてわずらわしいですが、2音ならパッと押さえられますし、短2度音程など”合わない音”もすぐにわかるのでおすすめです。
実際にコードを付けてみよう!
いよいよ実践!
何の曲にしましょう・・・
ふむふむ、なるほど。
『ふでペン 〜ボールペン〜』にしましょう。
『ふでペン 〜ボールペン〜』
テレビアニメ『けいおん!』の劇中歌。
『ふでペン 〜ボールペン〜』
(作詞:稲葉エミ / 作曲:川口進 / 唄 平沢唯(豊崎愛生))
まずは準備として「曲のKey」「スケール音」「ダイアトニック・コード」を書き出しておきます。
無くてもできますが、使わない手はありません。
曲のキーは何でしょう?・・KeyE。
五度圏から導き出せるスケール音は
「E, F#, G#, A, B, C#, D#」
ダイアトニックコードは「Ⅰ, Ⅱm, Ⅲm・・・」なので
「E, F#m, G#m, A, B, C#m, D#m(♭5)」
準備が整いました!
それでは、手順を確認しておきましょう。
①ベース音を決める(もしくはトップノート)
②ベース音に合うトップノートを決める
③残りの音を足す
今回も川口千里さんの動画をお借りします。
『ふでペン 〜ボールペン〜』私はCD(唯ボーカルver)を聴いたので、少し違うかもしれません・・。
あと、どうでもいいですが、千里さんのバスドラムのビーター。私の使ってるやつと、おそらく色違いで一緒(ホントにどうでもいい)。
手順①
①ベース音を決める(もしくはトップノート)から。
・1小節ごとに区切って、ベース音を歌ってみる。
ベース音を歌ってみてください。
とりあえず、最初の8小節だけ。
歌うのはベース音。
「ふでぺーんふっふっー」はまた後で!笑
次は
・しっくりくるベース音を、ギターで弾く。
今のベース音を、ギターで弾きます。八分か四分音符でベース音を弾くと、良い感じ。
次は
・しっくりくるパターンを、紙などにメモする(複数可)
いかがでしょう?
ちなみに、私はこうなりました。
手順②
②ベース音に合うトップノートを決める。
ベース音同様に探して・・
メロディの音が合わなければ、自分で足す。
高音が決まれば
・今選んだ音とベース音を、同時に鳴らす。
2音同時に鳴らしてください。
いかがでしょう?
ちなみに、私はこうなりました。
上が歌のメロディで、下が選んだベース音とトップノートです。
1小節目は、メロディの音を高音に持ってきました。位置は変えていますが同じ音。
2小節目は、ベース音がメロディと同じ音だったので、ベースに対して3度の音。Ⅲmなので、m3を足しました。
3小節目も、メロディの音を高音に。
4小節目は、2小節目と同じです。
5小節目も、メロディの音を高音に。
6小節目も、メロディの音を高音に。
7小節目は、「ベース音」と「高音」を同時に鳴らして、しっくりこなかったので、ベース音「B」を高音にしました。そして、もう一度聴いてしっくりきた「E」をベース音に変更。
8小節目だけは、キメのフレーズなので曲を参考に。
こんな感じです。「不自然だな」と感じたら、変更・修正。
手順③
最後は③残りの音を足す。
・耳で残りの1音を探る。
・しっくりこない場合は、今までのコードの知識をフル活用。
いかがでしょう?
私はこうなりました。
1小節目は、5度の音を足して「E」に。Ⅰコードです。
2小節目も、5度の音を足して「G#m」。Ⅲmコードです。
3小節目も、5度の音を足して「C#m」。Ⅵmコードです。
4小節目は、2小節目と同じ。
5小節目がポイント。4小節目までコードを作ると、コードの流れ的にⅢm→Ⅳの方が自然だったので、Ⅳに変更。
6小節目は、7小節目とのつなぎでトップノートを半音ずつ下げると自然な流れになり、響きもしっくりきたのでⅣmに変更。
7小節目は、3度の音を足して「E」。Ⅰコードです。
8小節目は、曲のキメなのでそのまま。
完成です!!
原曲確認(おまけ)!
実際に演奏されているコードは、どうなっているのか。確かめてみます。
コードを耳コピするときのコツは・・長くなりそうなので、また別の記事で。
(追記)書きました↓
それでは、皆さんも耳コピして確かめてください。
一応、歌い出しの8小節だけコピーしました。
上が「ギター1」で下が「ギター2」です。(逆でも良い)
や・・やってしもた!
コード弾いて無いやん!
まさかの単音弾き・・笑
サビではコード弾いてます。コード進行は・・ネットで調べてください。笑
ギターに関しては、
ギター1は、2・3・4弦あたり(主にプレーン弦)を使ったコード弾き。ダイアトニックコード中心。ある程度音が分離して聴こえる。
ギター2は、歪ませて(おそらく)3度抜きのコードで厚みを出しています。
途中、オクターブ奏法も入っています。
演奏から、ギター1と2の棲み分けができているのがわかります。唯ちゃんがレスポールなら、たぶんギター2ですね。でもそうなると、先輩だからギター2じゃなくて1かも・・(どうでもいい)
今回はここまで!
次回は、フレーズを作ってみましょう。
ありがとうございました。
次回は>フレーズの作り方!
コメント