「よっしゃ、ギターはじめるぞ!まずはギター選びからだな」
”最初の一本の選び方”について書きました。ギター初心者の方だけでなく、2本目、3本目をお探しの方も参考にしてください。
ギターの選び方!
★「エレクトリック・ギター」と「アコースティック・ギター」
ギターは大きく、2種類に分けることができます。
「電気を使わないギター」と「電気を使うギター」です。
電気を使わない、ボディ内部で音を反響させるタイプが、アコースティック・ギター。電気を使うタイプをエレクトリック・ギター(エレキギターもしくはエレキ)と呼びます。
左がアコギで、右がエレキ。
第一の選択は、エレキとアコギのどちらにするか。
「俺(私)は、同時に2本買うぜ!」という方は、是非そうしてください。
正直言って、ギターを続けていれば結局どちらも欲しくなるものなので、最初の一本は今すぐ弾きたい方を選びましょう。
弦の張力と弾きやすさ
「うーん、そう言われても迷うなー」
という方。私が決めて良いのであれば、最初の一本はエレキギターをおすすめしたい。
アコギの弦はエレキに比べて張力(テンション)が高く、弦を押さえる力が必要です。
ギターをはじめてしばらくの間はコードを押さえる練習が多くなるので、張力は低い方が助かります。
練習時の音量
また、エレキの生音(アンプに繋がずに出した音)の方がアコギよりも小さいので、ご近所さんに優しく夜練習でも安心。
「どっちにしようか迷う」という方は、エレキを。
ちなみに、私の最初の一本は”アコギ”でした。笑
バンプ・オブ・チキンの曲をアコギで弾きたかったので、迷わずアコギを手に。例にもれず、その後エレキも買いました。
★指板の素材
ギターを選ぶ際に注目したいポイント。
まずは、ギター指板の木材。指板(フィンガーボード)は、演奏時に指が直接触れる部分です。素材によって、見た目はもちろんのこと肌触りも異なります。”音”は多少変わりますが、まずは見た目と肌触りで選んでください。
ギターの演奏中、片手は必ず指板に触れた状態。気に入ったものを選びましょう。
ギターに触ったことが無い方は、是非お店で触ってみてください。わざわざ店員さんを呼ばなくても、指板の感触だけなら立てかけてあるギターで確認できます。ギターを倒さないように、質感の違いを確かめてみてください。
指板に使用されている一般的な木材は、『メイプル』『ローズ・ウッド』『エボニー』の3つ。
メイプル指板
白くてきれい。見た目で惹かれる人も多い指板。
メイプル指板の肌触りは、2パターンあります。一般的なツルツルと、つや消しのサラサラ。ツルツルが一般的ですが、つや消しサラサラもあり。
メイプル指板は弾き続けている内に、塗装がはげて黒く汚れていきます。※塗装の種類や弾き方によりますが、数年で剥がれるようなものではありません。
もちろん、塗装をし直せばいいだけなのですが、その汚れを「味があって良い!」と感じる人も。黒くなった指板を見て「俺はこんなに弾き倒したぜ」と歴史を感じられるかもしれません。※早く歴史を感じたい方は中古ギターにて。
アタック音がはっきりしているとか、パキンときらびやかな音がすると言われています。
ローズウッド指板
ローズウッド指板は、木!
塗装されていないので、木のぬくもりが指にダイレクトに伝わります。汗もある程度なら吸い取ってくれますが、吸った分だけ濡れるので、シャツと同じく濡れた部分は変色します。そして、シャツと同じく乾けば元通り。
色が元から黒いので、塗装はげのメイプル指板よりは汚れが目立ちにくいですが、塗装有りの(普通の)メイプル指板よりは目立ちます。オイルで拭いてみると、「こんなに汚れてたのか・・」と気がつくことも。
メイプルとの音の違いはデジマートさんの「メイプル指板とローズ指板でギターの音はどう変わるのか?」がわかりやすいです。音で選ぶ際には「メイプルのアタック音が欲しいorいらない」で決めるといいでしょう。アタック以外はアンプのツマミでなんとでもなります。
ローズ指板の楽しみは、何と言ってもオイル磨き。
「クロス」と「オイル」で磨くだけで、良い香りがフワッと香ります。見た目もピカピカ!・・にはなりません(茶色のまま)。
磨きすぎに注意してください。
エボニー指板
エボニー指板。ジャズ・ギタリストがよく使っているイメージ。
高級な木材で、硬くて真っ黒。惹かれるものがあります。他の弦楽器の指板としても、使用されているそう。
音の立ち上がりが早くサスティーンもあり、メリハリのあるサウンドと言われていますが、同機種で弾き比べたことがないのでわかりません。メイプル、ローズウッドに比べて数が少ないので、お高めのギターに使用されています。
現在は供給量の減少で「リッチライト」と呼ばれる人工素材で代替するメーカーも増えているそう。
★指板R
弾き心地に影響する指板R。
指板Rは、指板面の”カーブの度合い”のこと。カーブの緩い平らな指板、フェンダー社のようにカーブのきつい指板などいろいろあります。
指板RのRは、半径のr。
円の面積(S)=半径(r)×半径(r)×3.14(π)
の「r」です。
詳しくは「『指板Rって?』 もっと自由に大きな音で!OZIMAS Guitar Atelierのブログ」をご参考に。
「最初の一本には、どのカーブがおすすめなのか?」と聞かれると、私としては、指板Rの値よりも”ネックを握ったときのしっくり感”を基準に、選ぶことをおすすめします。
ギターに初めて触る方でも、5本くらい握ってみると「このネックがしっくりくるなぁ」と感じる一本があるはずです。
★ネックの横幅/形状(シェイプ)/フレットサイズ
ネックの横幅(ナット幅)とネックの形状(シェイプ)は、ギターのモデルごとに大体決まっているので、チラっと確認する程度で構いません。
ナット幅(狭い≠弾きやすい)
私を含め手の小さい人は特に「ネックの横幅(ナット幅)が狭いと弾きやすくなる」と思いがちです。が、話はそう単純ではなく、狭すぎると”弦落ち”といって、弾いている最中に弦が指板から落ちてしまいます。演奏においても、ネックの幅が狭いせいでカッティングなどが弾きにくくなることも。
ただ、親指を使って握り込む弾き方は、ネックの幅が狭い(もしくは手が大きい)ことで成せる技。バランスですね。
小学生でもギターを弾いています。最初から気にしすぎる必要はありません。
ちなみに、人差し指の長さが足りなくても(6弦まで届かなくても)バレーコードは弾けます。詳しくは「Fコードを押さえるコツ」をご覧ください↓
シェイプと握りやすさ
ネックの形状(シェイプ)は特に、握りやすさに影響します。ネックの裏側の形状ごとに「Cシェイプ」や「Uシェイプ」「Vシェイプ」など、いくつか種類があります。
(画像はFenderホームページより)
フレットサイズと速弾き
フレットサイズは、フレット(金属の棒)の高さと太さ。
これも個人の好みになります。「高いほうが押弦が楽」と一般的に言われており、”超人的な速弾き”を目指す方には重要なポイントかもしれません。フレット間をえぐる、スキャロップ加工を施した”変態的な”指板も存在します。気になる方は検索を。
低めのフレットでも、当然速弾きはできます。バイオリンをはじめ、いくつかの弦楽器はフレット無しで速弾きしています。
最初の一本は、いろんな演奏技術を練習するので、高すぎないフレットがおすすめ。個人的にも低めのフレットが好きです。
指板・ネックだけでも選ぶ基準がいくつかあるのですが、”最初の一本”を選ぶ際は、やはり”握ったときのしっくり感”を大切にしてください。
★ネックのスケール
ギターのネックの長さは
・ロングスケール(レギュラースケール):647.7mm
ストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスターなど。
・ミディアムスケール:628.65mm
レスポール、フライングV、SGなど。
・ショートスケール:609.6mm
ムスタング、ジャガーなど。
の3種類。
ドリンクのように「じゃあストラトのショートで」と選ぶことはできません。細かく選びたい方は、オーダーメイドをご利用ください。基本的には、ギターのモデルごとに一種類です。
3種類とも使用している私の感覚だと・・
ロングスケール
一般的な長さ。
12フレット以降のハイポジションでは、フレットの間隔が広いため弾きやすく、長い分テンション(張力)もあるので、カッティングフレーズにはピッタリ。※ちなみにテンションは、弦の太さでなんとでもなります。
「ロングスケールは一番長い」と敬遠してしまう人は、「ベースの方が長い」と自分に言い聞かせましょう。笑
ミディアムスケール
最初に買ったエレキがミディアムだった・・はず。私的には安心する長さです。ローポジションでのコードが押さえやすい。
ですが、12フレット以降になるとフレットの間隔が若干狭くなり、ロングの方が弾きやすいと感じる方もいます。テンションはロングより緩くなるので、少し太めの弦を張る人も多いです。
ショートスケール
慣れが必要。
特に手の小さい女性の方は気になるポイントだと思いますが、”短い”からといって、「めちゃくちゃ弾きやすい」ということでもありません。
ただ、フレット間隔が狭いだけあって、ローポジション(5フレット以下)のバレーコードは、押さえやすいかもしれません。一方で、15フレット以降のハイフレット間隔が狭くなるので、そこもチェックしたいところ。
指をおもいっきり広げる”ストレッチ・フィンガリング”は弾きやすく、ムスタングの愛用者Charが「これ(ショートスケール)でしか弾けないフレーズがある」的なことを、テレビか何かで言っていた記憶があります。
ちなみに、アコギ(阿漕)な楽器店だと「初心者の方はショートスケールが弾きやすいですよ~」などと言って、”売れ残り”のショートスケールギターを売りつけることも(※知人が被害に)。本当に心からショートスケールをすすめているのか、見極めてください。
手の小さい方におすすめの長さ(スケール)は?
特に”最初の一本”を検討中の方は、そもそもまだ指が開かない状態だと思いますので、ネックのスケールは気にしすぎず、気に入ったギターを選んでください。
「でも手が小さいから心配!」という方には、ミディアムスケールをおすすめします。最初に練習するローコードが押さえやすく、ハイポジションも(少しフレット間隔は狭いですが)普通に弾けます。そして、ロングスケールへの持ち替えも違和感が少ない。
★ハイフレットの弾きやすさ
初心者の方こそ意識して欲しいポイント。
今回は、15フレット以降を”ハイフレット”と呼ぶことにします。
実は”ハイフレットが弾き辛い”ギターがあります。
ボディの片方をカットしている「シングルカッタウェイ」、両方カットしている「ダブルカッタウェイ」が存在するのですが、一般的に「ダブルカッタウェイの方がハイフレットを弾きやすい」と言われています。
ただし、絶対的な基準ではありません。機種による違いもあります。例えば、レスポールとテレキャスターは両方「シングルカッタウェイ」ですが、ハイポジションはテレキャスの方が弾きやすい。同じタイプでも、メーカーによってハイフレットが弾きやすい機種もあるので、ギターを選ぶ際に確認してみてください。
下の画像をみてください↓
「レスポール」
「SG」
上の「レスポール」は、15フレット辺り(右から6個目の白いポジション・マーク)から、ネックの裏側が太くなっています。親指を後ろに回しにくいので、ハイフレットの演奏は大変そう(弾き方のコツはあります)。
対する「SG」は、ハイフレットも弾きやすそう。
このように、ギターによってハイフレットの弾きやすさに違いがあります。ただ、ニコニコ動画やYouTubeなどで演奏動画を見るとわかりますが、レスポールでもがんがんギターソロは弾けます。確かにハイフレットはきついですが、最初の一本は好きなギターを選びましょう。
練習意欲の方が大切です!
★シングルコイルとハムバッカー
エレキギターは、「ピックアップ」と呼ばれる装置(マイク)で弦の振動を拾い、その振動をアンプなどで増幅させて音を出します。
ピックアップの種類は「シングルコイル」と「ハムバッカー」の2つを押さえてください。
シングルコイル
主に「ストラト」や「テレキャス」など、フェンダー系のギターに使用されているピックアップ。
明るくチャキチャキした音で、カッティングにはピッタリ。強弱などのニュアンスを素直に再現してくれる反面、ノイズを拾いやすく、実力がモロに出るピックアップです。
ハムバッカー
ハムバッキングとも言い、「レスポール」や「SG」など、ギブソン系のギターに使用されています。
シングルコイルに比べると強弱のニュアンスが付けにくい反面、ノイズが少なく粗が目立ちにくい。中低域の周波数が強調され、歪ませないサウンドは暖かく、歪ませたサウンドは図太くロックです。
★ボディ材
ギターのボディに使用されるボディ材。
アコギであれば重要ですが、エレキなら、さほど気にする必要はありません。
ボディ材で生音の響きは変わりますが、結局はピックアップで音を拾うので・・気になる方は確かめてみてください。
ただ、ボディ材で重さが変わるので、重量はチェックしたいところ。いくつか挙げると、
・アッシュ
・アルダー
・バスウッド
・マホガニー
・ウォルナット
・メイプル
など。
例えば、「アッシュ材」と書かれていても、実際には「ホワイト・アッシュ」や「スワンプ・アッシュ」などあり、「この材はこう!」と断言できません。
hideでお馴染み、「アクリル材」なんてのもあります。
次はいよいよギター選び。
ギターの種類をまとめましたので、参考にしてください。
続きは>ギターの種類!
コメント