コードには機能があります。
皆さんは「コード進行」を、不思議に思ったことはありませんか?
何故、あの順番なのか?適当に並べてるんじゃないのか?
コード進行にも法則があるのです。
難しい言葉で”機能和声”と呼ぶらしい。
音楽理論らしくなってきました。
ただ、使い慣れないので”コードの機能”でいきましょう。
コードの機能!
コードの機能について説明します。「ダイアトニック・コード」の理解を前提として進みますので、曖昧な方は「ダイアトニック・コードとは?」をご覧ください。
ダイアトニックコード(三和音)
(四和音)
始めましょう。
3種類の機能
コードには、それぞれ機能があります。
例えばメジャー・ダイアトニック・コードは7種類ですが、機能も7種類あるのでしょうか。
もちろん捉え方はいろいろあるでしょうが、一般的に分類されているコードの機能は、たったの3種類です。
・トニック
・ドミナント
・サブドミナント
の3種類。
そして!この機能を表すときによく”すべり台”の絵が使われます。私の手元にある本にも描いてありました。
なので!私も描きました。
ジャジャーン↓
待ち受けにでもしてください。笑
1.トニック(Ⅰ)
一つ目は、トニック。
トニックとは何でしょうか?
tonic=主音
それでは問題です。
KeyCを移動ドで考える場合、主音ドはどこに置きますか?
さすが。
「C=ド」にします。
そして、このC=ド。
ダイアトニック・コードだと「Ⅰ」。
トニックコードは
三和音なら「Ⅰ」コードのこと。
四和音なら「Ⅰ△7」
KeyCならコード「C」もしくは「C△7」。
(※ナチュラル・マイナーならⅠm7がトニック。)
トニックコードとは
トニックコードは、ある音階の主音(トニック)を根音(ルート)に持つコードである。
聴感上、他の和音との関係性の中で、相対的に強い帰着感と安定感を持つ。西洋音楽的な調性感を持つ楽曲・楽節の始点や終点に高い頻度で使用される。
トニックコード – Wikipedia
トニックコードは階名のドなどと同じく「安定感」や「終止感」を持ちます。
例えるならば、「お母さん」のようなコード・・かな。
違いますかね。笑
トニックの動き
フレーズのはじめや終わりで「トニックコード」をよく見かけます。
では、先ほどの絵をもう一度。
「トニック」が、すべり台の「上りはじめ」と「すべった後」にいます。そういうことです。
ちなみに、前回演奏した『わたしの恋はホッチキス』で言うと
・1番の歌詞の出だし。
・サビの出だし。
・1番の終わり=サビの終わり
がⅠコード。
似たメロディを2回ずつ演奏しているので、正確には約2倍です。
お次は「ドミナント」。
コード機能の鍵です。
2.ドミナント(Ⅴ7)
ドミナントとは何でしょうか?
dominant=属音(属和音)
ぞ、属音?
属音とは
属音(ぞくおん)は、全音階の主音から完全5度上の音、つまり第ⅴ度音を指す。ハ長調ではソ、イ短調ではミの音である。
属音 – Wikipedia
Ⅴの音。
ドレミファソと、5番目の「ソ」が属音です。
”主音”に対して”属する”といったイメージでしょうか?
適当に言いました。忘れてください。
それではもう一度、アーティスティックなすべり台の絵を。
ドミナントが、今にも落ちそうです。
めちゃめちゃ「不安定」
・・て、手すりの上に乗ってる!?もう描き直しませんから!笑
トライトーン
ドミナントコード、「Ⅴ7」コードは「不安定な響き」が売り。
何故、響きが不安定なのか?
以前にも触れましたが
「Ⅴ7」の不安定な響きの正体は、
「M3(長3度)」と「m7(短7度)」の音程
「増4度(トライトーン)」です!
全音3つ分で、トライトーン。
トライトーンの振動数の比は「32:45」。振動数の比が複雑になると、人間の耳は不協和に感じるのだとか。そして、不協和は協和へと向かう・・。
ドミナントの動き
では、ドミナントはどのように進行するのか?
絵を見てください。
ドミナントが、すべり降りた(落ちた)先!
そうです。トニックがいます。
ドミナントコードは
”トニックへ力強く進もうとする性質”があります。
”不安定”から”安定”へ。自然な流れです。
「ドミナント」が「トニック」へ落ち着く(解決する)と、「終止感」を感じます。
「ドミナントが調を決定する」といっても過言でないくらい、存在感のあるコードです。
2-1.ドミナントモーション
Ⅴ7はドミナント7とも言われるのですが、ドミナントをより理解するために、ドミナントモーションを説明します。ややこしいなと感じた方は飛ばしてください。
KeyCで説明します。
KeyCのⅠはC。Ⅴ7はG7。
Ⅴ7→Ⅰのコード進行に注目です。
G7
↓ドミナントモーション。
C
いかがでしょう?
G7のトライトーン(M3とm7)が、それぞれ逆方向に半音移動して、Cの「R」と「M3」に解決しました。
音名と度数で見てみます。
(↓)→
(↓) →
つまり、ドミナントモーションは
①トライトーン(B,F)がそれぞれ逆方向に半音で移動して、Ⅰコードのコード・トーン(C,E)へ解決する動き。
②Ⅴコードのルート音(G)が、Ⅰコードのルート音(C)へ解決する動き。
の2つが合わさった動きのことです。
ただ、例えば①のトライトーンの解決だけ。もしくは②のルートの動きだけでも、解決感は出ます。そこらへんが音楽理論の曖昧なところ。
では実際に、弾いてみてください。
①G7のトライトーン「B, F」から、Cのコードトーン「C, E」への解決。
続いて②G7のルート音「G」から、Cのルート音「C」への解決。
そして、最後はコードG7からCへ。
いかがでしょう?
ドミナント→トニックです。
極端に言えば、この「ドミナント→トニック」の機能だけで曲ができていると言えなくも・・。
「でも、Ⅴ7とⅠ以外にもコードがあるじゃないかー」
極端に言えば・・です。
すべり台を上がっては降りる、の繰り返し。
すべり台を上がる距離や角度
すべり台を降りる距離や角度
に違いはありますが、結局はすべり台を上り下りしているだけとも考えられます。
それでは、前回練習した『わたしの恋はホッチキス』でみてみましょう。
「・・(書いてみる)よ もしかして 気まぐれ・・」
「・・(あればいいの)に キラキラひかる・・」
「・・(閉じちゃお)- はじまりだけは・・」
のコード進行がⅤ→Ⅰ。
フレーズの最後がⅤで、次のフレーズの最初がⅠのパターンが多いですね。サビ前の最後の歌詞がⅤで、サビの最初がⅠのパターン。
3.サブドミナント(Ⅳ)
サブドミナントとは何でしょう?
subdominant=下属音(下属和音)
か、下属音・・
下の属音?
下属音とは
下属音(かぞくおん)は、全音階の主音から5度下の音、つまり第ⅳ度音を指す。ハ長調ではファ、イ短調ではレの音である。
下属音 – Wikipediaより
つまり、主音Ⅰから完全5度下の音。Cなら5度下はF。五度圏で確認してみてください。Cの左隣はFです。
ただし、音程は転回できるので「転回のルール」を使って、KeyCだとⅣになります。
KeyCなら、FはⅣ。
サブドミナントの動き
このⅣコードがサブドミナントなのです。
それでは、すべり台をみてみましょう。
サブドミナントさん、すべり台を上っています。
機能的にはトニックやドミナントほど、個性は強くありません。
Keyの中ではやや不安定な響き。
サブドミナントの覚えておきたい使い方は
「(Ⅰ)→Ⅳ→Ⅴ7→Ⅰ」。
Ⅳ→Ⅴと、より不安定なドミナントへ向かいます。
たとえば、前回練習した『わたしの恋はホッチキス』だと
「・・書いてみるよ もしかして・・」
「・・あればいいのに キラキラひかる・・」
のコード進行がⅣ→Ⅴ→Ⅰです。
もう一つ覚えておきたいのは
「Ⅳ→Ⅰ」。
Ⅴへ上がらずに、Ⅰへ解決します。必ずしもⅤへ行く必要はありません。
『わたしの恋はホッチキス』だと
「・・そーだホッチキスで・・」
のコード進行がⅣ→Ⅰ。
「トニック」「ドミナント」「サブドミナント」は大丈夫でしょうか?
実際の曲で探してみてください。
コード進行は「自分の耳が良いと思う進行」なら全てアリです(※クラシックなど厳格なルールがある場合を除く)。コードの機能は、「他のサブドミナント・コード使ってみたいけど、どれにしよう」のように、作曲時のコード分類なんかに役立ちますので利用してみてください。
今回はここまで。
次回は、代理コードいきましょう!
ありがとうございました。
次回は>代理コード!
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