「耳で探す転調!」に続いて、キー探しシリーズ最終回。
今回は「マイナーキー」と、いくつかの「転調」を探していきます。
マイナーキーとは何でしょうか?
マイナーキーとは、マイナースケールを元にしたキーです。
マイナースケールとはなんでしょうか?
マイナースケール(短音階)とは
もっとも基本的な短音階は自然的短音階といい、ii度音(音階の下から数えて2番目の音)とiii度音、v度音とvi度音の間が半音である。これ以外には、和声的短音階、旋律的短音階が存在する。
短音階 – Wikipediaより
ごちゃごちゃ書いてますが、一番の特徴は短三度です。
詳しくは↓で説明していますが、今は難しく考えず、感覚でちょちょいと探してみましょう。
マイナーキーの探し方!
では一体、どうやってマイナーキーを探すのか?
以下の手順で探します。
①今まで通り、メジャースケール「ドレミファソラシ」でKeyを探してみる。
②主音ドを見つけたけど、ド以外の他の音がなんかおかしい。合わない。
③マイナースケールだと仮定して、主音ドをラに変える。
実際にやってみましょう。
『さぁ』で探すマイナーキー
1曲目は、SURFACEで『さぁ』。
(作詞:椎名慶治 / 作曲:椎名慶治/永谷喬夫 / 唄:SURFACE)
アニメ『まもって守護月天!』のオープニングです。コロコロチキチキペッパーズが、キングオブコント2015のネタで使用したらしく話題になりました。・・アニメのファンでしょうか?
それではいきましょう。
※↓YouTubeリンク
『さぁ』
主音ラに変える
まずは
①今まで通り「ドレミファソラシ」でキーを探してください。
「うーん。ドっぽい音は見つけたんだけど、それ以外の音が何か合っていない気がする。特にミの音とか・・・」
素晴らしい。
②ド以外の他の音がなんかおかしい。合わない。
ということですね。でも、ドの音は合いますか?
主音ドの音名は、Gで間違いありませんか?
「はい、そうです」
それでは
③主音ドをラに変える。
どうぞ。
まず、今の主音ドの位置はここでしょうか?
「はい。そうです。」
では、このドをラに変えてみましょう。
それ!
どうでしょう?
「ちょ、ちょっと・・何言ってるかわからないです」
「G=ド」ではなく「G=ラ」を当てはめるということです。手順通りに見ていきましょう。
まず、マイナーキーを探すためには、
①今までと同じ方法で、キーの中心音を探します。今回ならG。メジャーキーの曲であれば、主音ドを当てはめ「ドレミファソラシ」がはまって完成!でした。
しかし、これはメジャーキーでメジャースケールの場合です。今回は、マイナーキーでマイナースケールなので、当てはめるスケールが変わります。
②で、とりあえず「ドレミファソラシ」を当てはめたけど、主音ド以外の音が合わない!と、気が付きます。ここで重要なのは”主音ドの音は確実に合っている”ということ。
③で、主音ドをラに変えます。
難しいように見えますが、めちゃめちゃ簡単です。
今回は、キーの中心音Gに主音ラを重ねる方法でいきます。
黒のG(3弦12フレットもしくは1弦15フレット)が、今まで押さえていたポジションです。G=主音ド。
それを、主音ラとして押さえます。
G=主音ラ。ポジションはそのままでも良いのですが、今までのフォームをそのまま使用できるように、4弦と1弦に主音ラがくるポジションを使ってみましょう。
こんな感じ↓
どうでしょうか?
音名Gの位置に主音ラを重ねて、他は見たことある配置。低いソラシの音を足しました。これがGマイナーキーのポジション。
平行調でB♭メジャースケールという考え方(B♭=ド)もできますが、説明がややこしくなるので今回はこれでいきましょう。
主音を変化させたスケール
考え方として押さえて置きたいのは、メジャースケールは主音ドを基準とする「ドレミファソラシ」の音階だということ。
そして、マイナースケールは、主音ラを基準とする「ラシドレミファソ」の音階とも言えるということです。
主音は変化します。
ちなみに、メジャースケールで主音を
レにとると、ドリアンモード
ソにとると、ミクソリディアンモード
になります。※今回は説明しません。
マイナースケールを主音ドで
もちろん、マイナースケールでも主音ドで表すことは可能。
「ドレミ♭ファソラ♭シ♭」となります。これも一般的な方法で、私は普段こちらを使います。個人的にはメジャーもマイナーも”ドを主音”として捉えたほうが、相対音感の面でメリットが大きいと感じています。
ですが、(3種のマイナースケールを覚えていない)はじめの内は「ラシドレミファソ」の方が間違えにくいので、こちらを紹介しました。
マイナースケールの音の間隔は「全半全全半全全」。メジャースケールの「全全半全全全半」をラから並べた形。
ちなみに、今紹介したのは「ナチュラル・マイナー・スケール」なのですが、マイナー・スケールは有名なものが3種類ありまして、残り2つは「ハーモニック・マイナー・スケール」と「メロディック・マイナー・スケール」です。マイナーキーの曲は他のスケールからコードを借りてくることが多いので、ポップス(小難しくない曲)でも必須のスケールなのですが、今回は説明いたしません。
それでは、実際に弾いてみてください。
ポイントは、主音ラの音に落ち着きましょう。
・・・
いかがでしょう?
『Listen!!』で探すマイナーキー
テレビアニメけいおん、放課後ティータイムより『Listen!! 』
(作詞:大森祥子 / 作曲:前澤寛之 / 唄:放課後ティータイム(平沢唯(豊崎愛生)/秋山澪(日笠陽子)/田井中律(佐藤聡美)/琴吹紬(寿美菜子)/中野梓(竹達彩奈)))
演奏は、川口千里さん。
手数王のお弟子さん。この年でこのテク。彼女の動画を見て、はたして何人のドラマーがスティックを投げたことか。笑
それではどうぞ。
いかがでしょう?
キーはAmです。
①②③の手順で、主音ラを見つけてください。
やはりアニソンだけあって、細かいところで変化しているようにも感じます。でも、基本はAマイナーキーで大丈夫でしょう。
『Listen!! 』を途中で止めるなら
4秒、
12秒、
20秒、
37秒、
45秒、
51秒、
56秒、
1分2秒、1分7秒、1分10秒あたりでしょうか。
マイナーキーと転調!
最後はマイナーキーの転調です。
よくある転調パターン
転調にはいくつかのお決まりパターンがあります。
・以前紹介した半音上への転調
・C→Amなどの平行調への転調
・C→Cmなどの同主調への転調
・C→(Cm)→E♭などの同主調の平行調への転調
・G→Cなどの完全5度下(4度上)への転調
・これらの組み合わせパターン。
他にも代理コードへの転調や、もちろん自分が良いと感じた転調はすべて大丈夫です。
マイナーキーの曲を探すため、ニコニコ動画のメドレーをダラダラ流していたのですが、いくつか気づいたことがありました。
・マイナーキーは意外と少ない
・ロック系にマイナーキーが多い
・マイナーキーは、メジャーキーよりも転調が多い
・サビでメジャーキーに転調して、明るくする演出多め
転調ってこう使うのかぁと、作曲の勉強にもなりました。
『めざせポケモンマスター』マイナーキーと転調
最後は皆さんお馴染みの、あの曲で!
マイナーキーの転調を体感してください。
『めざせポケモンマスター』
(作詞:戸田昭吾 / 作曲:たなかひろかず / 唄:松本梨香)
演奏は、ティッシュ姫。
いかがでしょう?
”バクラ”のセリフから始まり(笑)
獏良了とは,遊戯王の登場キャラクターである。(中略)
千年アイテムの一つ「千年リング」の所持者であり、時折人格を乗っ取られる。乗っ取られている間の記憶は表人格には残らない。
獏良了とは (バクラリョウとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
はじめのKeyはAマイナー(Am)です。
そして、33秒の「ポケモンGETだぜーいぇいぇいぇい・・」
のところでKeyAメジャーに転調します。
同主調への転調。
マイナーキー→メジャーキーなので、
中心音Aを主音ラから主音ドへ変更するだけ。
歌詞的には「マサラタウン(主人公の故郷)からの旅立ち」シーン。
ポジションは2つ用意しました。
1つ目は、今までの型で弾けるポジション。
(フレットが変わっているので注意してください。)
そして、2つめは新しい型(フォーム)。
4弦7フレットのAを、そのまま使えます。
2番でAmに戻り、途中でAメジャーへ転調
「ああ あこがれのー」らへんでAm(C)
「ユメは いつかホントになるって」でAメジャー
「ああ あこがれのー」らへんでAm(C)
同主調を行き来する感じ。途中「ああ あこがれのー」あたりから、所々Amっぽくなく(Cっぽく)なりますが、今回はAmでいきましょう。
アドリブから、階名、移動ド、Keyと見てきましたが、普段何気なく聴いていた曲も、視点を変えてみると面白いのではないでしょうか。次回は「耳コピ」です。
ありがとうございました。
次回は>メロディの耳コピ!
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